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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第9話


 「とうとう卒業ですね。青田先輩、有難うございました。」「ほんま、これからも仲良くして下さい…お願いします。」

「私もお願いします。先輩は私らみんなの憧れなんです。並んで歩くだけでも嬉しいんです。」「先輩が彼氏やったらええのに…って思うてるのは私だけや無いはずですわ。」

「有難う。もしかしたら、うちは、男より女にモテるタイプなんやろか?」

「もしかしたらって…もしかせんでも、絶対そうです。」

「アキちゃん…あんたまた……」

「あっ……」「けど、先輩には最高の彼氏が居てるやないですか。」「彼氏は一人で十分やし、その上、彼女が何人も居てるなんて目茶苦茶カッコええですやん。」

「アキちゃん…って……」「先輩、いつもの事で、すみません……」

「いや、かまへんけど…」「なぁ、マサ…藤川って評判ええんか?『カッコええ』とか聞いた事は在るんやけども……」

「そんなん、無茶苦茶カッコええですやん。え~っと、この中でも、浅井さんと横田、大塚の3人は好きって云うか、大ファンって云うか……」

「ストップ!」「もぅ~~なに言うてるねん……先輩、勘違いせんといて下さいね。」「アキ、あんただけは…ほんまに……」

「まぁ、誰がどう思うててもかまへんし、勘違いもせえへんけど…あいつ、そこそこ人気が在るんやな?」

「それは……」「なぁ…?…」

「うん。」「……仮にですけど…もし、青田先輩が居て無かったら、バレンタインデーはかなり危険な事になるんとちゃいますか。」

「間違いないですね。危険かどうかは別としても、キャリーバッグぐらいは必要やと思います。」

「それって、冗談やろ? なんぼなんでも、そこまでは……」

「いえ、青田先輩の手前、控えめに言うてるつもりですけど……」

「嘘やろ。ほんまに?あいつ…そんなにモテるんか?」

「断トツですわ。この周辺の学校、特に女子高なんか大騒ぎで…藤川先輩の試合って応援団は女の子ばっかりですやん。横田と大塚なんかも応援に……」

「はい先輩ストップです…そこまで。」

「あんたら練習サボってと違うやろなぁ?」

「いや多分……日曜の試合とかだけやったはずやと…そ、それに、何試合も前の事は記憶が曖昧やし……」

「はい、それもストップです。何試合もって云うのはちょっと…具合が……」

「あんたら、ほんまに…?」

「いえ…それにしても、先輩はどうして応援に行かないんですか?」

「そんなもん、勝つのが判ってるからに決まってるやないか。」

「え~っ、それは調子が悪い時も在るやろうし、やってみるまでは…第一、応援って力になる事を先輩も知ってはりますやんか。」「もしも負けたら『応援に行っといたら良かったのに』って後悔しませんか?」


「全然。」「もしも負けた時は『アホッ』って云うたらしまいやんか。」「けど、なるほど…うちが応援に行ってないのを知ってる分けやもんなぁ……」「これって、たしかに試合に行かんと判らん事やわ。」

「はい……うちの生徒だけでも50人前後はいつも行ってますよ。」

「そうそう、ほんで会場に入ったら、とにかく最初に青田先輩を探すんですわ。」

「えっ、ほんまかいな……?」

「それは、先輩が居てたら困る…って事は無いんですけど、居てない事が判ると、ちょっとでもええ席で応援せんと…ねっ。」

「だいたい、学校別に別れて陣取るからね…一番大きいのは、○○学園の応援団です。いっつもですわ。」

「ちょっと待って、もうええわ…なんや気持ち悪うなってきた。」「ほんなら、あいつがチョコレートの一つも貰われへんのは全部、うちのせいやと云うんか?」

「・・・・・・」


「いま…半分ぐらいがうなづいて、半分ぐらいが首を斜めに……」「高木、あんた首が斜めに動いとったけど?」

「あ~~っ、一つも無いかどうかは分かりませんけど、うちの学校内では絶対にゼロのはずです…と、云う意味の『首斜め』です。」


「……ほな、あいつのファンやと言うてくれる浅井は?」

「う~~っ、青田先輩が居て無かったら、『遠慮なく渡すに決まってるやんか』と、云う意味の『直首』です。」


「もうええ……」「疲れて来たわ。最後にちょっと聞いて置きたいんやけど…うちの噂はどうなんや? 後輩の男子は、うちの事をどう言うてるんや?」

「完璧に校内の一番星です。カッコええって、絶大な人気ですよ。誰に聞いても男女の区別無く答えは同じはずです。もちろん藤川先輩でもかないませんわ。」

「うわっ…今のは、一斉にうなづいてくれてたなぁ……」「けど、後輩と云う事は別にして…彼女になって欲しいとか云う話は聞いた事、無いんか?」


「なぁ、今も一斉にうなづいたようやけど…気のせいやんなぁ?」

「・・・・・・」


「なんで、一人もうなづかへんねん?」

「いや、私らは女やからチョコレートも渡せますけど、男子は、あの藤川先輩の事を考えたら…とても告白なんて……」

「せやろ。あいつがチョコをもらわれへんのは、うちのせいかも知れんけど、うちが生まれてから一回も男の子から告白とかされた事が無いんも、確実にあいつのせいなんや。」

「・・・・・・」


「おい、誰もうなづかへんのは、なんでやねん?」「なぁ高木…陸上女子代表として説明してくれるか?」

「……ちょ…ちょっと……高木先輩なにしてるんですか?」


「……い、いや、青田先輩から離れとかんと……」「私も今後、陸上部を引っ張っていかんとアカン体やから……」

「どんな事を喋るつもりやねん?」


「え~っと、いろんな要素が考えられますが、私がまず思うのは…先輩のスパイク、白いですけど、裸足になっても真っ白なスパイク履いてますよね?」


「高木…日焼けの話をしてるんか?」

「はい。ほんで、ランパンと競技用のハイカットショーツとで出来た二重の日焼け……子供でもあんな黒い子は見たことが無いほどですけど……」「え~と、ここからは、良子が言い始めたんですけどね…」

「ちょ、ちょっと待ってや。あれは…先輩、陰口で言うたんやないですからね。」

「ええよ。何を聞いても怒らへんから。」

「心を込めて、しみじみと『……あの黒さ、脂肪ゼロの筋肉と筋だらけの足……マサイ族や…』って良子が……」


「ちょっと、ちょっと…卑怯やんか。みんな一緒に爆笑しとったのに。伊藤ちゃんなんか、今も唇かんでこらえてるやん。」「そうや、高木さんこそ、その後『いやいや、先輩の場合、なんと云うても上半身やで』…」


「良子ゴメン…私が悪かった。そろそろ帰る時間やろ……?」

「それは聞こえへん。陸上部の日焼けってランニングシャツだけや無うて、競技用セパレートやスポーツブラの日焼けってみんな当たり前の事やろ?」

「良子、アカンて…二人だけの秘密って約束やんか。」

「もう、遅い。」「先輩も当然、セパレートとスポーツブラで二重の日焼けが在るはずやんか? せやけど在る時、高木さんがシャワールームで見たものは……」

「アカンて……」

「キャプテン云うのは忘れてええから、一年で押さえとき。」

「見たものは?」

「どう見ても、スポーツブラだけで出来た二重の日焼け跡…その心は?」


「あっ、あれか? あんなん、なんにも大した事やあらへんやんか。高木も心配せんでもええで。前と後ろを間違うただけや…誰でもする事やんか?」

「・・・・・・」


「………嘘やろ?」「今…全員が……首を横に? 嘘やん…誰でも1回ぐらいは……えっ……1回も無いんか?」

「・・・・・・」


「………もうええ…何回、うなづくつもりやねん。見てる眼がしんどいわ……」「そら、競技用セパレートは間違いようが無いし…普通のブラジャーも間違いにくいかも知れんけど……スポーツブラは前も後ろも見わけが付かへんやないか……?」

「付くでしょ…普通。」「それに…『普通のブラジャーも間違いにくいかも』って言いましたよね? 『かも』って…先輩、普通のブラジャーは使わないんですか?」

「えっ…伊藤ちゃんやったら、まぁ、必要かも知れへんけど、他のみんなかて、うちとそんなに変らんから、いらんやろ?」

「いやいや~普通…いるでしょ? 本気で言うてるんですか? 先輩には、何べんも驚かされて来ましたけど、卒業式に衝撃の事実が明らかになりましたわ……」


「それって、まさか先輩…もしかして、ブラジャー持ってないんですか?」

「え~っ…そんなん……」「せ、せやから365日、スポーツブラやんか。」「高木は持ってるんか…嘘やろ?」

「持ってますよ。当たり前ですやん。」「まぁ…高校に入ってからですけど…ね。」

「え~~っ、福田なんか…絶対にいらんやろ……なぁ?」

「…残念ながら、私も…正直、あんまり必要は無いんですけど…去年、入学してからは…高木先輩と同じです。」


「せやから、スポーツブラやろ? 違う……? 嘘やん……ほんま…に?」「なぁ…誰かなんとか言うて……」

「先輩、この頃では、小学生から使ってる子も珍しく無いんですよ。」


「それは、特殊な…ホルスタインとかの仲間とちゃうんか?」

「牛やないんやから…ほな先輩は何の仲間なんですか?」


「うちは、その…スペアリブとか……」

「…意味が判りませんわ。」

「スポーツブラにもサイズは在りますよね?先輩の場合は……?」

「うちか? うちはやなぁ…その手の話は好きと違うんや……」

「先輩、そろそろ気がついて下さい。」「先輩って、美人かって聞かれたら、物凄い美人ですけど、暗い処では表情も判らんほど黒いし…そのゴツゴツした体にその髪型では、初めて会うた人は、カッコええ男前としか見えないと思いませんか?」


「確かに…学校以外のトイレでは、男に見られて睨まれるけどな……」「その代り、混んでる時は男子トイレに行ってもバレへんから便利やで。」

「それが出来るんは地球上で先輩だけです。」

「元々、なんで告白された事が無いのかって云う話やったんですよ…あっ、すみません。」


「……ようするに、男らしいけど、女としては魅力の欠けらも無いと……?」

「・・・・・・」

「…欠けらぐらいは…なぁ?」

「……うん。」「そうそう……」

「青田先輩…これからも、根性と勇気で頑張って下さい。」


 「有難う………」
 「みんなも頑張ってや。これからは、紫外線対策もした方が…日焼けは皮膚ガンの原因やとも言うし……」


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学校1番のベストカップルww

アキちゃんの性格って、この物語に無くてはならない存在ですねww
マサがチョコもらえないのは、夕子がおるから、だいたい想像がついてたけど、マサがゴツゴツしたマッスル男じゃないってわかって意外wwモテてるんや!
なるほど、夕子に渡るチョコに力が入りすぎちゃうんかと思ったけど、それで理由が分かりました。
砲丸チョコも、別の意味があったりしてww
夕子・・ブラ無し、おっとこ前やなあww

藤井美菜さん、いつも有難うございます。

正直なところ、ここまでは序章です。

高校も卒業し、ここから本当の夕子とマサの青春篇が始まります…応援と同時にお楽しみください。

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