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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第7話

   「そうか…まさかとは思うたけど、噂はほんまやったんや…。」

    「まぁ、まだまだ先の事やから……。」

 「そうやな、おなじ結婚するんでも、オリンピックへ行って…約束果たしてから一緒に成りたいもんなぁ…。」         「応援するから頑張ってもろうてや……ほな、ご馳走さま…。」

   「有難うございました…… ふ~っ…。」

  「今日は、もう店じまいですわ…。」「夕子も一息ついて…それから片づけたらよろしいやんか…。」

   「まだ、早いけど……せやなぁ……。」

  「そうやで…もう、お客さん来はっても…食べてもらう物が在りませんやんか…。」

   「うん、…暖簾入れとくわ。」

  「判ってると思うけど…夕子のお陰やねぇ…。」

   「…うちとマサのやろ…?」

  「この1週間は、異常ですわ……入りきれへんお客さんの方が、多かったんと違うやろか…?」

 「忙しいのはええんやけど、複雑なモンが在って…素直には喜ばれへんわ。」                                 「どうや…?うちは付き合われへんけど、お母ちゃん一杯飲んだら…?」

 「そうやねぇ…忙し過ぎて、進めてくれるお客さんも…居てへんかったからねぇ……。」                            「けど、よろしいわ…一人で飲むんは好きや無いし。」

 「明日は休みやのに、ちょっと待っとってや…。」「あと2年…実際には1年ちょっとや…うちが飲めるようになったら、なんぼでも付き合うたるから………あっ、お父ちゃん…まだこんな時間やけど……そう………せやねん………うん………待ってるわ。」

   「お父さんなんて…?」

  「あと、20秒で来る……はずや…。」



  「さむいやないか~~待たせたなぁ…。」

  「遅いやんか……3分も掛かってるで…?」

 「食べるモンも残ってないんやろ…3分あったら…ちょうど、チキンラーメンが出来る頃やないか…。」

 「ほんまに、マサとおんなじ頭の構造やなぁ…あいつやったら、そこが、カップヌードルに変るだけや。」

 「年代の違いやね。」「お父さん、何にする?寒いけどビールにするんか…ウィスキーのお湯割りでも作りましょうか…?」

  「お前は……?」

 「私は……最初はビールにしますわ…。」「…ほんでも、夕子や無いけど…ほんまに何してましたんや?…はい……」

 「うん…。」「お前もほい……もう、寝るつもりで着替えたところへ電話が掛かってきたんや……ふ~~旨いなぁ……。」

   「はい…。」「ほんまに……こんな時間から寝るつもりで……?…」

 「なぁ、うちのアイデアで実現したのに…2人だけの世界にハマるんはやめてや…。」

 「あぁ…これは、すまん…すまん…。」                                                                「けど、ほんまに一緒に飲める時が楽しみやなぁ…片づけは3人でやるから、まぁ、ここに来てお茶でもどうや…?」

 「勿論、そのつもりやで…でも、その前に…はい、お待ちかねの一品やで…。」

  「えっ?チキンラーメン……お前は…?」

   「カップヌードルやで。」

   「なるほど……よう出来た話や…。」

 「あとは、わずかですけど…この残りモンも、片づけて下さいね……無理には、食べんでもよろしいけど……。」

 「なぁ、お母ちゃん…お父ちゃんなぁ、さっきの電話で『明日は休みや…もう食べるモンも残ってない…店も、もう閉めたんで、お母ちゃんの相手をしに来いってことやろ』…って、うちの声聞いただけで…こう言うたんやで。」

  「それは…明日が休みで、この一週間の忙しさを考えたら……。」

 「あんた…ええカッコはやめとき。夕子のために、私が種明かしをしますわ…お父さんは、元々来るつもりでしたんや。」

   「えっ、そうなんか…?」「土曜日やから…?」

「全部をひっくるめてですわ…この一週間は忙しくて、お父さんが覗いた時も、まだお客さんが一杯で入れませんでしたやろ…。」   「この土曜日に来えへんかったら、一週間飛んでしまいますやんか。」

  「それは、うちもそう思うたから…せなのに、なんで着替えてたんや…?」

   「嘘に決まってますやんか…なぁ…?」

  「ほんま、お前には…かなわんなぁ…。」

 「夕子の声聞いただけで『こう言うた。』って処で分かりましたわ…。」                                        「お父さんの考えは…今週はとにかく忙しい、おまけに明日が休みと云う事は…料理はそろそろ無くなる頃や…でも、行ってもええのか…どうなんか…と、思うてる処に夕子の電話や。」                                               「決め手は……夕子は、20秒って言うてるのに…3分掛かりましたやろ…?」                               「…待ってましたと…思われるのが恥ずかしかった…これが正解ですわ…。」

  「す…すご……大当たり…みたいやなぁ…?」

  「うん、細かいとこまでな……全部、当たってる…ズバリ大当たりや。」

  「さすが、お母ちゃん…役者が違うわ。」「これを、てのひらの上に乗ってる…って云うんやろか…?」

  「夕子と、昌幸くんの場合は…これ以上やと…私には思えますけど…?」

   「それは、俺でも…そう思う。」

  「あのなぁ、文鳥やインコやったら…手の上に乗っても可愛らしいけど…ハ虫類はマニアック過ぎるわ。」

「乗せる方かて怪獣やないか…ゴメン。」「お前のその…瞬間的な反応…ど~にかならんか…?俺でも、ちょっとビビったわ。」         「お前、今…光線の出そうな眼でにらんでたけど…ええか、イメージを変えるためには…自己改革も必要やど。」

「あのなぁ、うちはお父ちゃんとマサ以外には…可憐とは言わんけど…しとやかとも言えんけど…おまけに、大人しい事も無いし、色白どころか真っ黒やしなぁ…。」「おまけに、洗濯板みたいな体にスポーツ刈りに近い髪型って……お母ちゃん、もうアカン……うちに、女としてのええとこって在るんやろか…?」

  「そんなん…一杯在るはずですわ…。」「…なぁ、お父さん…?」

「あ、当たり前やないか。」「料理をしてる処は見た事ない…けど…この春からは料理学校に通う事やし…え~っと、ほんで…。」   「クラブを辞めたと云うことは…色もちょっとは白くなるやろ…?せやっ!…クラブや、足は速いで~~ほぼ無敵や~!」

  「お父ちゃん、もうええ…。」「よ~判った…うちは、足が速いだけの女やったんや…。」

   「お父さん、もうちょっとなんとか……。」

   「洋子、女のお前が…なんとか……。」

 「なぁ……二人の世界に入られるのも寂しいけど…親子3人で遊ぶんも…やめとこ…。」                               「いつまでも、うちには…マサしか居て無いと…思わす作戦に付き合うてられへんわ。」

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コメント

おせっかいご近所さん

夕子とマサの噂で、商店街の井戸端会議は盛り上がるんやろねww
わたしの中でのイメージ。夕子のお母さんは、それこそ割烹着が良く似合うパーマ頭のおばちゃんで、お父さんは、お母さんの3分の1ぐらいのチッチャい可愛いオッチャンww
そんなオトンは、夕子が心配なんやろね。いくらマサが強くて芯のある男でも、可愛い娘をとられるかもしれない相手だもんね。
でも、マサと夕子のオトンは気が合いそうwww
ある日、飲み屋のカウンターでマサと夕子のオトンが並んでて、夕子の相談してたら、いつの間にかオトンの愚痴をマサが聞くハメになってたりして。
いつも長々コメントごめん。この話好きだから、読むと妄想が・・・

藤井美菜さん、いつも有難うございます。

本当に嬉しいです、好きなように妄想をしながら読み進んでいって下さい。
ただ、前作の都合上、夕子のお父さんに関してはマサの師匠のような存在の、柔道4段・元警察官と云う筋書きなので…御免なさいね。
後はいくらでも、楽しく読んで頂ければ幸いです。
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