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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第6話


 「なぁ、藤川先輩が怪獣に襲われた話…知ってるやろ?」

「まさか、知らん人は居て無いと思うで。もはや、うちの学校だけの話でも無いし。」

「せやろなぁ…10人以上から電話、掛かって来たもんなぁ。私も20人くらいには電話したもん。」

「私もそうやったわ…」「最初に聞いた時は『怪獣ってほんまに居てたんや。』って思うたぐらいやで…すぐに青田先輩の事やって分かったけど。」

「アキちゃん……」

「なぁ、良子はそう思わへんかった?」

「アキちゃん…って……」

「あの藤川先輩がやで…怪獣でも無かったら?」

「怪獣でも無かったら?」

「うわっ…かいじゅ……」「青田先輩、お早うございます。」

「お早う…ええよ。予想は出来てた。」

「先輩…あの~~」

「かまへんって…」「今まででも怒った事なんか無いやろ?」

「はい、それは確かに…けど……」

「もう、あきらめてる。相手があのアホや。」「恐竜って言い始めたんも…うちやしな。」

「えっ、そうなんですか?」

「元々はあいつ一人が、恐竜や怪獣やって言うてたんやけど…そのうち、うちのあだ名はキングギドラに落ち着いたんや。うちも勝手にあいつの事、『ハ虫類の脳みそ』とか言うてる間に…最初は可哀そうやって言うてたお父ちゃんが、『夕子お前は、キングギドラで怪獣やろ…ハ虫類を大きしたら恐竜やないか』って…ほんま、ええ家族と、友達に恵まれたわ……」

「……………先輩、これ。高木さんや伊藤さんほどや無いかも知れませんけど…気合入れて作りました。」

「私も…右に同じです。」

「ありがとう……」「うわっ、これはまた凄いやんか…二人とも大きさと迫力で勝負って感じやなぁ?」

「はい、その通りです。判ってもらえて嬉しいです。」

「…右に同じです。とにかくなんの技術も無いので、全財産を掛けて購入したチョコレートがこの形になったと思って下さい。」

「こ、これ…一気に食べたら命に関わりそうやなぁ。心して食べるわ……」

「はい。卒業してからもお願いします。二十歳の誕生日には、お店に直行しますので。」

「右に同じです。」

「それは、楽しみにしとくわ…あんたらは後輩やから、誕生日に関係なく、うちも飲める歳になってるからなぁ。」

「そんなん、ちょっとぐらい…あっ、先輩、ルールや規則には厳しいですもんね。ご主人も警察官やのに失礼しました。」

「アキちゃん…って…もう…」

「あっ…未来の、やった。」

「せやから、アキちゃん…そう云う問題やのうて…ほんまに……」

「アキらしいわ。あんたらには、何を言われてもかまへんで。ただ、恐竜との話は…オリンピックを生贄にした、仮、仮、仮、仮契約やからな。それだけは覚えといてや。」

「えっ、それってもしかしたら契約は成立して無いって事と……」

「アキちゃん! あんたええ加減に…早よ行くで、今日の先輩は忙しいんやで。」

「失礼しました。後でまた覗いて下さい。」

「うん、ありがと…」

(今の二人も体育会系や。しかし、これは、ごっついなぁ…これ食べて恐竜が鼻血なんか出したら、おもろいけど、気持ち悪いやろなぁ…アカン考えんとこ)


 「先輩、お疲れ様でした~。卒業式までにも来てくれますよね?」

「うん、週一くらいは来るつもりやで。」

「すごい数ですけど、とにかく1位~3位までは発表しに来て下さい。お願いします。」

「……うん、わかった。ほな、みんな有難うやで…お疲れさま。」



 「うわ~っと、これは想像をはるかに超えてるやないか…どないして持って帰るつもりやねん?」

「はい…これ。」

「…でっかい風呂敷やなぁ~、見た事もないサイズやで。」

「お婆ちゃんに相談したら、箪笥の奥から出してくれたんや。」

「こんなもん担いだら、風呂敷から足が生えたみたいに成ってしまうど。」

「うちやったらな。」

「ちょっと待て…これ全部、俺に持たせるつもりやないやろなぁ?」

「そんなん当たり前やないか。」

「うん、せやろ…って、どっちの当たり前?」

「マサが一人で持つ方の当たり前。」

「お前、今年はすごい事になるって判ってたんやろ? カバンぐらい用意しとかんと。」

「後輩にもそう言われたんやけどな。」

「それこそ当たり前やないか。」

「アホっ!なんぼ貰える事は予想出来ても、それを見越して袋やカバンを用意する分けにはいかんやろ。」「風呂敷やったら、シューズケースにでも入るやないか…アホっ。」

「文章の最初と最後に…今は、そんな事言うてる場合や無さそうやな……」「………これでなんとか……」「おう、ずっしりや。このままガード下へ持って行ったら、すぐに売れるど…ゴメン、冗談や。」

「風呂敷で顔が見えへんから云うて、うちが怒る前に謝るくらいやったら、始めから言わんといたらどうやねん……」

「…………なぁ、物心ついてからずっと思うてる事なんやけど、なんで…なんでも分かるんや?」

「今のマサの一言で、うちの言うた事が正解やって判ったやろ? 必ず正解してる訳や無いんやけど、あんたはその場で答えを教えてくれるんや。後はそのデータを積み重ねたら、予想の的中確率も上がっていくんや。」

「・・・・・・」

「感心しながら、悩んでもしゃ~ないで。」

「い、今は、黙ってたやないか?」

「ほら…今、判ったやんか……」

「……お、お前には、一生勝たれへんのやろか…せやろなぁ。」

「ええか、いま本気で喧嘩したら、絶対マサの勝ちやんか? なぁ、衝撃の事実教えたろか?」「あんたはうちに負けて喜んでる。」

「えっ…?…」

「そうは思わへんか?」

「いや。これはちょっと…全部は否定出来へんように思うけど…」

「よう考えてみ…全部とは違うても、ほとんどやと思うで?」「せやから、力ずくの喧嘩でも、死ぬまでうちの方が強いんや。」

「…うん、勝てる気がせえへん。」

「なっ、絶対マサの方が強いのに……」「うちには判ってるんや。うちを命がけで守ってくれるんは、お父ちゃんと、お母ちゃんと、マサ…あんただけや。親以外に居てるって凄い事やで。」

「そんなん、嫁はんや家族を守るんは当たり前やろ。」

「そこやねん…うちはまだ嫁はんとちゃうやろ? せやのにマサ、あんたは子供の頃から、うちが嫁はんに成るもんやと思いこんでるやないか。」

「……思うてたら…アカンのか? 厭って言うんか?」

「かまへんよ……時々、『うちも、そう思うてるんとちゃうやろか?』って考える事があるんやから。」

「ほんまか…?」「夕子、今やったら…夢かどうか確かめるために、もう一発殴ってもかまへんで。」

「あのなぁ、考える事は在っても…答えは出てへん。」「それに、あんたのそんなややこしい性格が…時々めんどくさいんや!」

「…今後、気を付けます…」


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唐草模様の風呂敷で、泥棒みたいな格好のマサを想像したwww

あれれ!?夕子、マサへのチョコ忘れてるんとちゃう?ww
まあ、風呂敷いっぱいの「おすそわけ」だけで、食べるのに何日かかるかな・・・
なんか、夕子のことが、うらやましくなってくるなあ。マサに想われて、後輩からも・・ぷぷぷ
マサのライバルは意外と身近なとこにいたりしてwww
たのしみです。
アキちゃんたちの超特大チョコは1位獲れたんやろか・・・

藤井美菜さん、いつも有難うございます。

藤井美菜さん、いつもながら内容たっぷりのコメントを有難うございます。

でも、夕子がマサにチョコを送る日は一生を共に出来たとしても…無いかもしれませんよ。

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