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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第2話

  「青田先輩、本当に料理学校なんですか…? 勿体ないですやん。」 「誰に聞いても、同じ事言うと思いますわ……。」

   「有難う…ほんでも、なんにも勿体ない事なんか無いで。」

 「え~っ…総体記録作ったんですよ。」 「進学なんか…より取り見取りやったのに…私らかて自慢できたのに…。」

  「先生や、監督にも色々言われたけど、実はなぁ…うちは中距離なんか…大嫌いなんや。」

    「え~~っ… 嘘ですよね…?」

 「まったくの、一から十までほんまや。」「現役が終わったから言うけど、性格は完全に短距離向きやねん。」                  「短距離では、トップになられへんかっただけの事や。」

 「性格の話は、先輩の場合よう分かります。」 「けど短距離でも、うちらみたいな公立レベルやったら無敵でしたやんか…。」  
 「弱小とはいえ、校内では男子を混ぜても…断トツやったし。」

 「いや、全然アカン。短距離では、ええとこまではいっても最後までは残られへん。」                              「せやから、中距離と高跳びをやってたんや……そんな訳やから、ほんまに何の未練も無いんや。」

「先輩らしいと云うのか…男前やわ~~」「青田先輩って何を言うても、何をやってもカッコええです。憧れます…ほんまに。」

  「有難う…それでなぁ、ちょっと気になってるのが… もうすぐバレンタインやけど……。」

 「はい、もうすぐバレンタインデーですけど、とうとう先輩も卒業やと云う事なので…。」                                「今年は特別に…それぞれが、手作りの大作で勝負することに…全員一致で決まりました。」

    「全員…一致?」

   「はい、全員一致。」

    「手作りの大作?」

 「はい、手作りの大作… そんなん一人だけ、買うた物なんか渡せませんやんか…。」                            「そんな訳で、今年は勝負が掛かってますから… どれが1位か… 3位ぐらいまでの順位をみんなに発表したって下さい。」             「まぁ、1位争いは、私と伊藤さんやと思いますけど…… なんと云うても気合の入り方が違いますから。」

   「…そう…そうなんか?」「それは…せやな、楽しみにしとくわ……。」

 「はい。今年は特に…陸上部以外からもスゴイと思います。大きなカバンか何か用意しといた方がええと思いますよ…。」

  「そ、そうか…わかった。 大きなカバンなぁ……有難う、考えとくわ。」    
          ( 体育会系の奴って、男も女も、多かれ少なかれ、マサみたいな奴ばっかりやなぁ。)(夕子)


  「藤川先輩、警察官になっても頑張って下さい……ずっと応援させてもらいますので。」

   「おう、有難う…頑張るで。」

「けど…うちみたいな弱小高校でも、先輩の場合、あちこちから推薦来てましたのに…進学は考えへんかったのですか…?」

    「考えたで。」

  「それやったら…オリンピックを目標としてる先輩には、進学した方が良かったんと違いますか…?」

 「夕子みたいに陸上やったら、進学したかもわからんけど…警察やったら柔道は続けられる。」                         「オリンピックにも行くつもりや…けど、それは最終目標とは違う。」                                        「俺の最終目標のために…警察官は…必須条件なんや。」

  「…?…はぁ… そう云えば青田先輩も、僕らから思うたら勿体ない話ですわ。」

 「そこが…あいつらしいところや。 あいつには中距離や長距離なんかは向いてへん…おそらく大嫌いなはずや。」

 「え~っ⁉…これは先輩の言う事でも信用できませんわ。 インターハイ優勝したんですよ…高校記録なんですよ…?」

  「あいつはなぁ…勝負は早ければ早いほどええってタイプなんや。」                                      「性格そのものが短距離向きやねん。 短距離で勝てるんやったら…短距離やってたはずや。」

 「話を聞いたら、青田先輩の場合…分かる気がします。」                                                  「ほんまカッコええ、男前な性格って云うのか…みんなの憧れですわ。」                                           「あっ、もちろん藤川先輩にも憧れてますけど…二人はほんまお似合いですわ。」

  「……『恐竜と怪獣』とか言う奴も…居てるらしいけどなぁ…?」

   「ぼ、僕とは違いますよ…うなずける話やとは思え……」  
                  
 「思えるんやな…まぁええ。」 「…ちょっと…どころか、かなり判る気もする…。」                                 「なにせ…小学生の頃の、あいつのあだ名は【キングギドラ】や……痛っ!…⁉…」

「こらマサ、なにしょうも無い事言うてるねん…着替え終わったらさっさと帰るんや…うちの上履き拾うて早よ帰っておいで。」

   「ゆ、夕子~~~」

  「青田先輩…お疲れ様でした~。 藤川先輩を引き留めてすみません。」

 「なっ、俺は別としても、あいつの怪獣は分かるやろ…? 上履きだけやない…何回、靴を投げつけられて来たことか…。」

  「はい、この距離で上履き投げて、ストライクですもん…すごいです。」

   「もう片方も投げて欲しいんか……?」

    「ちょ、ちょっと待て…すぐ行く。」

  「ほんま、しょうも無い事ばっかり言うて……ちゃんと練習してるんか…?」

 「してる、してる~。」 「とにかく、練習はばっちりなんや…けど、この2月に入ってから、3年生で学校に来てる奴なんか、俺と お前を含めて数人だけやから…つい後輩と、あれこれ話し込んでしまうんや。」

 「それは、うちもやけど…あんたの場合は、ろくな事言わへんからなぁ……。」                                    「とことん、お父ちゃんに似て来たように思えて…なんか腹が立つんや。」

 「それは今更、どないしようも無いやろ。 先生のように成りとうてやって来たんやから、俺にとっては…むしろ褒め言葉や。」

  「ええとこだけ似とったらな…⁉… 悪いとこまでそっくりやから具合悪いんや…。」 

   「先生に悪いとこなんか無いやろ…?」

 「これやから困るんや… 在りまくる…って事は無いよ…確かに……しょうも無い事が好き過ぎる、言い過ぎる……」               「なんと云うてもやり過ぎる…これが諸悪の根源なんやけど…死ぬまで治らへんやろなぁ…二人とも…。」

  「楽しかったらええって云う性格の事やったら…死んでも治らんと思うで…。」

 「…死んだら治れよ…せめて……」「まぁ…死んでからまで、面倒は見てられへん…生きてる間に治らん事も判ってる…。」   「無理に治す必要も無いけど…あんたら二人は度が過ぎるんや……なぁ、あしたはど~するんや? 部活に出て来るんか…?」

 「うん。車の免許だけは4月までに取っとかんとアカンけど…他に予定が無い時は出て来るつもりや。」             「柔道部は引退するけど、柔道を引退する分けとは違うからな…自分自身のトレーニングがわりや。」                    「昼から出て来て、部活の時間までにランニングとウエイトトレーニングを…サーキット3本仕立てで終わらせとくんや。」

 「気合バッチリ過ぎへんか…? なぁ、4年間も在るんやから…適当に息抜きも必要やと思うで……?」

  「アホっ!…4年しか無いんや……息なんか抜いてられるはずが無いやろ。」

   「そうか… まぁ、せいぜい……ほどほどに……」  
 「うちは、出来るだけお母ちゃんの手伝いをするつもりやから、週に1回くらいやと思うわ。」                           「次に来るのは…バレンタインデーに  なると思うけど…今年は特に憂鬱なんや…。」

   「特に…?」

  「すごい事になるみたいなんや…。」

 「それって…俺と、俺の家族は…楽しみにしとったらええって事やろ…?」

「うん、ただ…今年はちゃんと吟味して、1位から3位までを決めて報告してや。 なんでも勝負が掛かってるらしい…頼むで。」

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コメント

バレンタインがたのしみ。

合作って、どんだけデカいねんwww

お楽しみに・・・

いつも有難うございます。
どんだけデカいんでしょうね? 楽しみにしていて下さいね。
今後とも、応援をよろしくお願い致します。
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