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夕子、西成区花園町在住。 第70話     (お~い夕子、暇や…)

    「お~い夕子~~暇や~遊んでくれ~~。」

 「せやから、いつも言うてるやろ…うちは忙しいんや…けど、せっかく来たんやから、昼までやったら付き合うたるで~。」

   「そらみぃ…お前かて暇で、俺が来るのん待っとったやろ…?… えっ、昼まで…?」

 「そうや…! 昼からは…お母ちゃんの手伝いや。」                                                「お店開けるんも今日までやから…4時頃までには森川のおっちゃんらが集まって、飲み納め会をする予定なんや。」

 「そうなんか……お父んも、仕事は今日までや云うとった…帰ってくるんも早いそうや…。」                        「ようするに、いよいよ今年も終わりやと云うこっちゃ…けど、こづかいも…底をついたから…この3,4日が長いんや…。」

   「…その3,4日を待つから……尚更、あのマップの有難味が上がるんとちゃうのんか…?」

    「ゆ…夕子~~~判ってくれたんか~~?」

   「判らへん! 社交辞令って云う奴や…アホっ!」

  「え~~~っ? そんなん…日本語で言うてくれんと……。」

  「日本語や! もうええ…うちが悪かった…ちょっと喜ばしたろ~…って思うただけや…。」                       「お父ちゃんも…仕事は一応、明日までやけど…特別な予約以外は断って、餅つきの準備とか…色々と在るそうや。」         「あんたは、家の手伝いも、なにも無いんやろ…邪魔せんように…お父ちゃんに付き合うたったらええんとちゃうか…?」

   「…⁉…‼……そ、そうか…かまへんかなぁ…? 俺は嬉しいけど…。」

 「マサ、あんた…眼ぇ…キラキラやで… かまへんに決まってるやんか…。」 「お父ちゃん、マサの事大好きやから…」              「昼から、『先生、何か手伝う事無いですか…?』…とか言うて来たら…泣いて喜ぶと思うで…。」

   「夕子~~有難う……ほな!…」

    「……って、帰るんか…?」

   「…うん、昼から出直して来る!…」

  「え~~マサ… 別に、ええけど…午前中は…ど~するねん…? アホっ!」


   「お母ちゃん、手伝いに来たで…。」

 「はい、有難う……けど、そんなに手伝うてもらう事も無いんよ…。」                                       「ちょっと…買い物して来て欲しいモンは在るんやけどね…それくらいやわ…。」

  「あっ、ほんなら買い物行ってくるし…何を買うて来たらええのんや…?」

  「慌てんでもよろしい…お母ちゃんも一寸休憩しますわ…。」 「買う物は後で…書いたモン渡しますよって。」

   「うん、わかった…………。」

    「なぁ… お母……」  
 
     「なぁ…ゆうこ……」    

  「えっ、お母ちゃん…なんか……?」

   「…夕子こそ……なんです…?」

 「うちのは、大した事や無い……けど、マサって実は…うちより、お父ちゃんの方が好きなんやなぁって……。」

   「ふふっ… 何が在ったかは知りませんけど、お父さんに…焼き餅ですか…?」

  「違うわ~~ そんなんとちゃうけど…そうや、お母ちゃんは何が言いたかったん…?」

   「わ…私も、たいした事や………あした……今日で……。」

   「お母ちゃん… あした…今日って…?」

「今年も、今日でお店は終わりです…夕子には、よう手伝うてもろうて…有難う。 感謝してます…来年も頼みますね…。」

  「お母ちゃん…今さら、わざわざ……そんな事……どないしたん…?」

    「あした…帰ります…。」

    「…えっ…⁉……」

 「あした、帰ります。」                                                                     「夕子…御免やったね…もう、大丈夫…気持ちの整理はきっちりつきました。」 「夕子と…お父さんの処へ帰ります…。」

  「…お母ちゃん……そんな…急に……お母ちゃん…ほんまなんか…? お父ちゃんは…?」

 「お父さんは、もう…知ってます…。」                                                               「夕子には、私から言いたかったんで…黙っててもらいましたんよ……二つ合わせて…堪忍やで…。」

   「…ううん… そんな事はかまへん……けど…いつ…?」

 「おとといです…お父さん、いつもの通り閉店前に来はって…その時です…。」                               「急にふっきれましたんよ… お父さん…ちょっと酔うてはったけど、昌幸くんの話から、警察官の話になって…それから……」    「…そうです…辞めた理由を初めて聞きました……ほんなら、ほんなら…なんか、急にふっきれたんですわ……。」

   「…そうか…そうなんや…。」

 「はい……もしかしたら昌幸くんの…おかげかも知れませんで…。」

 「そ、それはアカン!…いや、アカン事もないんか……でも、なんか厭や…なぁ、別の理由にしといて…。」

 「…まぁ、理由はひとつだけでは無いですからねぇ…なんと云うても、夕子…あんたが一番の理由です……それだけは…はっきりしてます……とにかく私も…すっきりせんと、帰るのは厭でしたから…私自身も、ふっきれて喜んでますねん。」             「年が明けても、モヤモヤしてる間は…いつまでも帰れなかったと思います……」                               「それが、年内にふっきれたんやから…夕子かて…喜んでくれますやろ…?」

 「…あたりまえ… そんなん、当たり前やんか… ど~言うたらええのんか…言い方も判らんほど嬉しいわ…。」           「そう…あたりまえ…メチャクチャ嬉しい!」                                                          「けど…せやけど…話を聞いてたら…お父ちゃんの逆転満塁ホームラン…そんな気がする!」

  「そうやね…💛…それが正解かも知れませんなぁ…。」

   「…うち、買い物に行って来るわ~。」

  「ちょっと待ち!」  「……お願いやで………はい、これ……。」

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