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夕子、西成区花園町在住。 第65話       (さぁ、いよいよ…)

 「さぁ~~ いよいよ冬休みに突入した…もはや、ここまで来たら…正真正銘の【もういくつ寝ると…】状態や…。」          「そして…年が明けた瞬間、これが抜けだされへん【タイムトンネル】やったら、どんだけええか…と、毎年…必ず思う正月がやって来る……。」                                                                             「なぁ、ここまでは…ちゃんと聞いてくれてるか…?」                                                「ちょっと…その視線に、不安を感じてるんやけど…ええか…ここからが本題や…。」                           「明日の土曜日…日本には、存在せえへん事で有名なクリスマスやけど…せめて俺が…芳月のアイスクリームぐらいおごったろか…?」

 「うん、寒うても食べられるもんなぁ…有難う。」                                                   「途中、3回くらい寝そうになりながらも…うちもマサに大事な話があって耐えとったんや…。」                       「…芳月のアイスクリームは素直に嬉しい…期待しとく。」                                               「…そしてやなぁ…うちからマサへの話も…日本には無かったはずのクリスマスやけど…今年は、せっかく土曜日なんやし…って事で…明日、お母ちゃんがマサを連れておいでって…言うてくれてるんやけど…どうする…?」

   「…え…あ~~~っ……。」

     「口を閉じる!」

  「な、なぁ… なぁ夕子…今ここで、『今言うた事は嘘や。』…とか言うたら……国によっては死刑やど…。」

   「アホっ…! どこの国やねん…?」

 「い~~~や…そのくらい、罪な事なんやど………」                                               「立ち直る為には、もう一回…土曜日のクリスマスが回って来るまで…無理やからな……たのむで…。」

   「あほっ……今言うた事は…『うそ』………」

  「…き、聞こえへ~~ん~!」 「…もし、聞こえたら…死ぬ~~~!」

 「アホっ… 大丈夫や…。」 「お決まりのパターンやないか、…うちかて言わなしゃ~ないやろ…?」

 「…それは、判ってる…けど、今の俺には刺激がきつ過ぎるんや…。」 「…俺は、今晩…寝るんが怖いくらいや…。」

 「毎度毎度、ややこしい奴っちゃなぁ……。」                                                     「ええか、続きが在るんや……クリスマスって、本場では鳥を食べるそうなんや、せやから鳥の釜めしを……。」

   「うわ~~~~~っ……」

 「あんたが、ごっつい美味しそうに食べてくれたからって…お母ちゃんが……。」

   「うわ~~~~~っ…」

  「なぁ、そんだけ喜んでくれたら嬉しいけどな…とりあえず、じっとしぃ…。」

   「ハァ…ハァ… …うん。」

 「判ってるつもりやけど…たいがい疲れる奴っちゃなぁ…ほんで、明日の土曜日は…終業式だけで終わりや…。」          「ええか…冬休みを存分に楽しむためにも…量も少ないし、昼から【洋子】に行くまでに、宿題は全部…終わらせるんや!」

    「……えっ…?」

  「心配せんでもええ… 一緒にやったる……昼御飯食べたら、うちにおいで。」

  「…わかった……夕子、お前…今日は矢印のしっぽ…収納したままやなぁ……。」

   「すぐに出せるで……。」

  「へへっ…と、云う事は……トゲの生えた矢印のしっぽを…認めるわけやな…?」

    「マサ~っ!」

  「生えた~~ バイバ~イ…。」 「あした楽しみにしてるからな~~。」

   「アホっ… マサ…バイバイ……。」



   「…ふ~っ……。」 「先生………サブちゃん……よかったわ…有難う……。」

    「…はい……。」

  「…約束です……。」 「今日が最後…今日で…終わりにさせてもらいます…。」

  「…琴美さん……すんません…有難うございます…。」

 「いえ、今日まで無理してくれはって……あやめ姐さんに怒られましたわ…。」

   「えっ、 あやめ姐さんは…?」

   「あれから来てませんやろ…?」

    「…たしかに……。」

 「残ってたのは…私だけです………。」                                                           「あやめ姐さんは…先生の方からそんな話聞いたら、こっちから身を引いてあげんと…って、怒られました…。」

   「あやめ姐さん、そんな事を…?」

  「そうです…『来週にも、また…』…って、言うたまま…そうですやろ…?」

   「…はい、たしかに……。」

 「そう言うた方が、先生に気ぃ遣わさんと済むからって…。」 「せやから姐さん…もう、年内には来はりませんわ…。」          「年が明けたら…私もそうですけど、普通のお客さんとして寄せてもらいます…。」

  「みなさん、色々と考えてくれてましたんやなぁ…こちらは仕事ですのに…。」

 「無理な仕事を、無理してくれはって…。」 「無理を承知でやらせてしもうて…申し訳ないと思うてます…。」               「特に私は…助けてまでもろうたのに…しつこうして、すみませんでした…。」

 「…いや、そんな事は……それに助けたと言うても、別に何をした訳でもあらへんし…。」

 「私には、十分でした…。」 「正直に言うとね…奥さんが出て行きはったのを知って…確かに縁談話には困ってたんですけど、それを理由に、先生ともっと…仲良うなれたら…そんな気持ちが本心やったと思います…堪忍して下さい。」                「先生だけやのうて、奥さんや娘さんにまで迷惑を掛けてしまいました…きっと、きっと…恨まれてるはずですわ…。」

 「そんな事は…ただ…アホな亭主とアホな父親の合体版…とんでもない奴…それだけですわ…。」                      「琴美さんも、春駒姐さんも…なんにも悪い事なんかあらへん…。」                                      「俺自身…アホやったかも知れんけど…悪い事をしたとは思うてない……それでええや無いですか…。」

   「それでええ…のですか…?」

 「それ以外に…何も無いやないですか…琴美さんとも、考えたら長い付き合いや……。」                             「5年程になるやろか…まだ、制服着とったもんなぁ……。」

  「よう覚えてます。 制服姿が素敵でしたわ…長い事は見られへんでしたけど…。」

 「せやなぁ…制服を脱いだんは、それからすぐにやった…。」                                              「それも、アホやったかも知れんけど…悪い事とも、失敗したとも思うてない…。」 「これで良かったと思うてます…。」                 「琴美さん、これからも青田整骨院を御贔屓に…仲良うして下さい…頼みますわ…。」

 「はい…断られても、無理やりにでも来ますからね…。」                                                 「今日は、これで失礼させてもらいます……先生、ほんまに…おおきに…ありがとう。」

 「はい…こちらこそ…。」 「おおきに…有難うございました…。」  
            ( 姐さん達…みんな有難う… 洋子、片付いたで…迷惑かけたなぁ… )

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