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夕子、西成区花園町在住。 第64話      (ほな、おっちゃんら…)

  「ほな、おっちゃんら、後はのんびり楽しんでいってや~ …うち、そろそろ帰る時間やし…。」

「えっ、もうそんな時間かいな…? ほんまや、もうちょっとで8時や…あっと言う間やなぁ…有難う若女将…お疲れさんやで。」

 「森川さん…あっという間と言えば、一年も、ほんま…あっと言う間やったと思いませんか…?もう年末ですよ…年末…。」

 「山ちゃん、ほんまや~早かったな~。」 「年末や、すぐに正月や…年取るはずやわ… 定年も近いで…。」

「もう、せやから年寄りは嫌いなんや…なんか言うたら、すぐ、しんみりした話になってくるし…そうなる前にうちは帰るで…。」

 「おい、おい、若女将…まだまだ、入口に立ったとこやで…。」                                          「ええか、子供、嫁はん…父親母親、ほんで老後ときて…最後は必ず思い出話…どんどん奥へ、奥へと進んで行くんや…。」

  「うわ~、かなわんわ~ 早よ帰ろ、帰ろ…。」

「ママ~、俺と藤島にお湯割りのおかわりや…。」 「山ちゃんは、この年末になってもビールみたいやな…北さんは…?」

   「山本さん、ビール抜こか…?」

  「ああ…若女将の、今日最後の仕事やな…? ぜひ、お願いするわ。」

 「ビールなんやから…抜くだけや無いで~ 最後の仕事は…山本さん…はいっ……。」

   「あっ、若女将… 俺もビールもらうわ……。」

   「は~い、北村さんおおきに…。」

  「北さん… 今…うらやましいと思うて、頼んだやろ…?」

  「…うん、そうや…。」 「…思わず、たのんでしもうた…。」

 「ほんま…? 嬉しいわ~~。」 「うち、素直に喜ぶし… 北村さん…はいっ……。」

   「うん、ありがとう…。」

「ほな、今度こそほんまに帰るわ~。」 「…ほら、8時回ってしもうたやんか…おっちゃんらは、のんびりしていってや~。」

  「あっ…若女将、お疲れ~~」   「…お疲れ~~。」

 「ありがとう、お疲れさん…。」 「もはや、わしら全員…若女将にメロメロなんかも知れへんなぁ……。」

  「そんなもん、ずっと前から……俺もそう思いますわ…。」

 「西島君やったかな…?…そっちの若いお兄ちゃんらも…そう思わへんか…?」

 「いや~~、思いますけど…僕らはまだまだ、ママさん目当てが本音ですわ。」                                「だいたい、森川さんら程…若女将に相手してもろてませんから。」

 「ああ、なるほど…そ~かも知れんなぁ…。」                                                    「若女将って…北さんや俺から見たら…もう、孫みたいな感覚なんかもわからんなぁ…せやから尚更に可愛いんや…。」

 「それも在るかも知れんけど、なんや独特のモンを持ってるで…ほんまに小学生か…?」                         「体のちっこい大人とちゃうか…?って、思う事…森川さんは無いか…? 俺は在るんやけど…。」

 「そ~なんや……ふと、気付かされる時がある……。」                                                  「実は、小学生なんや……3年やで…そない思うたら…怖いもんがあるわなぁ……。」

   「せやなぁ…ほんま怖いわ…なぁ…?」  

     「…はい…。」

 「もう、うちの娘を…みんなでよってたかって、怖い、怖いって… ほんまに、何モンやと思うてますのんや…?」

 「何モンって……?…」                                                                       「小学3年生にして、すごく気が付くうえに何でも出来て…時として、色気まで感じるような…スーパー若女将……。」     「なっ…? 十分、怖いやんか……。」

 「ありがとうございます… そ~ですなぁ…たしかに…。」 「褒めてもろてる…と、思うて…喜んどきます…。」

  「そんでええ…そんで…。」 「…ところでママ、年末年始の予定は決まったんか…?」

  「はい、明日にでも張り出すつもりやったんですけど…27日までと云う事で…。」

   「おい、おい… わしらの仕事納めは28日やで…困るやないか…。」

    「森川さん、28日は何時までお仕事です…?」

  「そんなもん…後片付けと、昼からは掃除して…終わりや…あっ…!」

    「フフッ…毎年、おんなじ話してますなぁ…。」

    「ほんなら、今年も…?」

    「はい、皆さんが良かったら…。」

    「もちろんや、なぁ北さん…?」

 「俺は、最初っからそのつもりや…藤島や、山ちゃんかてそうやろ……?」                                       「森川さん…あんただけが毎年、おんなじ事言うてるんや…。」

   「そない言われたら…。」 「…来年も、おんなじ話すると思うけど…たのむで…。」

 「はい、せやから28日は、3時半~4時には準備しときますよって……」                                    「常連仲間で、忘年会を兼ねた…飲み納めと云うことで…どうです……?」

   「…うん! それでたのむわ。」

    「…異議な~し。」

 「…もちろん、僕も…。」 「今日は欠席の…藤島さんには、明日にでも…僕から伝えときます…。」

    「あの~僕らも…?…」

  「はい、西島さんらも…良かったら来て下さいね…。」

  「よかった~是非…頭数に入れといてくれますか…?」

  「もちろんです、若女将にも手伝うてもらいますわ…。」

   「それはええ…楽しみや。」  
 
   「ほんまや…ほんま…。」 

 「…はい…待ち遠しいです…。」

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