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夕子、西成区花園町在住。 第60話    (ただいま…お父ちゃん…)

   「ただいま~お父ちゃん… 居て無いんか…?」

    「夕子~~ 台所や…お帰り~。」 

  「何してるんや…?」  「おばあちゃんは…?」

  「見たら解かるやろ…料理や…。」

「…たしかに…けど、なんで…ごっつい魚やなぁ…グレやんか… どないしたん…? しかも2尾…50センチ以上あるで。」

 「クリーニング屋が持ってきよったんや…『サブ…大漁や、大漁~~~』…って叫びながらな…。」                    「ヨイショ…ん、いっちょあがりや… もう、一尾は刺身でいこか~ 何せ、シゲの年一回の大漁やからなぁ…有難い話や~。」

   「へ~ぇ… 上手いもんやなぁ…美味しそうやんか…。」

 「まかさんかい… お前が生まれた前後は、お婆はんと俺とで、どんだけ店の手伝いやったか… お前、知らんやろ…?」

   「…それも…『へ~ぇ』…やけど… そら知らんわな…うちは……。」

  「…と、とにかく… そう云うこっちゃ…。 味も洋子仕込みやから、間違いないで~~。」

  「うん…それは、うちかて見ただけで美味しいのんは解かるで~ 大したもんや。」

    「せやろ~ せやろ~~。」

 「煮物は、色・ツヤ・匂いで味まで解かる… お母ちゃんの決まり文句や…。」 「うちにも解かるで~ これは絶対旨い。」      「ほんで、もう一尾はお刺身にするんやな…? ほんでも、こんな大きなグレ、見たこと無いで…食べきれへんやんか…?」

 「それも、考え済みや… 其の一、マサも呼んだるんや。 其の二、煮付けの半身と刺身も適当に【洋子】へ持って行く。」       「最後に、其の三… 行ったついでに、店から…たまり醤油とワサビをもろてくる… どや…?」

  「今日のお父ちゃん…中に他の人…入ってるんとちゃうやろな…?」

 「…アホっ! 先ずは其の一や、マサ呼んできたれ…早よ行ったらんと、藤川さんとこかて都合が在るやろ…。」

   「せやな! …うち、行って来るわ。」

  「…その間に刺身も完成や。 お婆ちゃんもそろそろ帰ってくるやろ… あれっ…夕子…は…?」

   「わかった~~ …聞こえてるで~~~。」

    「は、早っ!」


   「こんにちは~ 昌幸くん、居てますか~~?」

  「…あっ、夕子ちゃん…。 約束してたんか…?」

   「いえ、急にちょっと……。」

「もう、帰って来る頃やけど、良文くんと…お風呂行ってるんよ……。」                                     「もう…アホな事はせえへんと思うけど、早い時間に行く…クセが付いたとか言うて……。」

  「…え~っと、私が来た事は黙って下さい… お邪魔しました。」   「…あの、アホっ…! ほんまに……。」

   「…お~い、夕子~~ どないしたんや…?」

   「何でも無い! だだの散歩や!」

  「ちょ、ちょっと待ってや… 俺の家から出てきとったやないか…?」

   「あんたの見間違いや……ほなっ!」

  「ちゃ、ちゃうやろ~ まだ、怒ってんのんか~~?」

 「アホっ! そんなもん、とっくに忘れてるわ……新たな疑惑や…。」

 「ちょ、ちょっと待て、新たな疑惑て…風呂か…?…風呂やな…? 違うんや、なんぼ俺でもそんなアホな事はせえへん。」     「クセになってると言うんか…良文が迎えに来よるもんやから……なっ…分かってや~~~。」

   「……分かった。」

   「えっ、ホンマ…?」

  「もう一つ、教えてもろうた事に…チャレンジしてるんとは…違うやろな…?」

 「南海の大決闘を、一人で解決できる夕子さんに…嘘はつきません……神に誓って…違います‼」

 「…わかった、もうええ……早よ帰って、おばちゃんに、今日の晩御飯は…夕子の家で食べるって…言うておいで…。」

    「…えっ…?…」

   「イヤなんか……?」

 「…お、おかん~~~~~~ 今日の晩御飯…………」

   「…アホっ……。」

       …61話へ 続く……
      
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まとめ【夕子、西成区、花園町】

 「ただいま・・・お父ちゃん・・・居て無いんか・・・?」 「夕子〜、台所や・・・お帰り〜」 「何し