FC2ブログ

夕子、西成区花園町在住。 第59話       (おーい、夕子…)

    「お~い…夕子、待ってくれや~~」
  
     「…夕子ちゃん、昌幸くんが…。」

  「し~~っ… 恵子ちゃん、ほっといたらええ…振り向かんといくで。」

   「お~い。 なぁ、夕子って……。」

  「…あんた、誰…?」 「…恵子ちゃん、いくで…。」

   「え~っ… 夕子、なんで…?」

  「気やすぅ…人の名前、呼ばんといて。」

  「…夕子ちゃん。 昌幸くん…かわいそうやん。」

  「そうやぞ… どないしたんや…ほんまに…。」

 「どないもせえへん…。 知らん人とは口を聞いたらアカンって、学校の先生かて、いつも言うてるやろ。」

 「そんな…知らん人って…。 昨日、俺が帰ってから、先生とどんな話をしたんや…?」

 「先生…?」 「…先生って、うちに一人居てる…スケベなおっさんの事か…?」

   「…す……スケ………。」

 「なぁ、夕子ちゃん… わたし、先に帰るから…バイバイ…。」

 「うん、ゴメン…バイバイ…。」 「アホ!、みてみい……恵子ちゃんに気ぃ使わせてしもうたやんか。」

  「…そ、そんな事…。 何をそんなに怒ってるんや…?」

「アホ~~っ!…うちにとって今、一番大事な事は…お母ちゃんに、一日でも早よ…帰って来てもらう事なんや…。」           「それを邪魔する奴は…ぜ~~~ったいに、許されへんのや…。」

  「え~っ! 邪魔なんか…ぜ~~~ったいに……するつもりは……」

 「一番悪いのは、お父ちゃんか、マサなんか…チョット、ややこしいとこは在るけど……。」 「お父ちゃんには、昨日、ボロカスに…言いたいだけ言うたから…ちょっと、スッキリしたんや… あとは、マサしか居てへんやないか…。」

   「スッキリするんやったら、ボロカスに言うてくれ… 頼むわ~~~。」

 「素直なんもええけど…マサは、とにかくいらん事をせんといて。」                                       「ちょっとでも…たとえ、ちょっとでも…お父ちゃんが、お母ちゃんに嫌われる事があったら…アカンねん……困るねん…。」

    「…・俺は… 別に…。」

 「そうや…あんたは、お父ちゃんにも、お母ちゃんにも好かれてる… 怒ってるのは、うちだけや…。」                   「うちの気にし過ぎのようにも思う……。」                                                       「ただの気にし過ぎやろか…?… なぁ、もう一つ、教えてもろた事って…?勇気が在るんやったら、やってみるか…?」

 「いったいなんの話か、知りませんけど… 仮に、そんな話が在ったとしても…絶対にやらない自信が在ります。」

 「自信なぁ……?…」 「壁の向こうに居てるんは…今田のお姉ちゃんかも知れへんで~~」

 「ゴクっ! 仮の仮の…仮の仮の、仮の話… 万が一の時には…僕では無く、もう一人の僕を怒って下さい…。」

   「どアホっ!」  「…やっぱり風呂の話やったんやなぁ……。」

    「はっ…!…」

 「ほんまに、あんたら…しゃ~ない生きモンやなぁ… アホがほんまにぃ…。」                                 「それになぁ、マサ…あんた、この頃…そのアホに、さらに磨きが掛っ て来たらしいやないか…?」                             「せやから…ちょっと、あんたと仲がええって、言われるんが恥ずかしくなって来たんや…。」

  「え~っ… アホは認めるけど、磨きなんか掛かってへんやろ…?…。」

 「それやったら言うけど、こないだの社会のテスト…人の名前を聞かれてんのに【あの人】とか【女の人】とか書いて… 最後は、聖徳太子って書くとこで、【お札の人】って書いて、坂口先生…にごっつい怒られたんやろ…?」

 「いや、あれはやな…テストって時間が決まってるやないか…『あの人~~』って、ここまで出て来てるのに、間に合わへんかったんや… 聖徳太子もそうや…『お札の人~』…って…なっ、ほんで…『ん~時間が無い~』 …書くしか無いやないか……。」

   「…マサ特有の…素直さで…?」

 「そ、そうや。 素直に…なっ、もう俺の代名詞なんや…気楽に【素直なマサ君】…って呼んでくれたらええで。」

 「アホっ…! とどめは、授業中に地図の名前を聞かれてんのに…【五万分の一】…って、わざわざ手まで挙げて答えといて…大爆笑にはなったけど、廊下に立たされとったやないか…これはもう、学校中で有名な話や。」

 「うっ…せやけど、思いついたら、言わんとしゃ~ないのが俺とお前の性格や…廊下には立たされたけど、先生も…『センス在るやないか~』って、一緒に爆笑しとってんど…… けど…『ふざけたらアカン!』って最後は立たされたんや…。」

 「センスは在る…確かに………。」                                                           「けど、うちまでマサと一緒にせんといて、なにが、『思い付いたら、言わなしゃ~ない』…ねん。 あほっ…!」

 「ほんならやで……お前、おんなし場面で【五万分の一】って、頭に浮かんだら…ど~するつもりや…?」

  「……浮かんで…来たら……沈めたら…ええんや………。」

  「…沈めても…浮いてくる… なっ‼ …俺とお前は一緒なんや。」

   「…悔しいわぁ~~ けど、認める…しかない……。」

 「せやろ~~ …なぁ、ついでに機嫌も直してや… おばちゃんの事は…ゴメン。」                              「先生の事も、なんでもかんでも真似するんはやめるから… ええとこだけを見習うようにするし…なっ…?」

 「それは、もうええ…。」 「恵子ちゃんと一緒やったから、ちょっと…いちびっただけや。」                          「せやけど…あんまりマサと、仲がええ、仲がええって言われるのんも、ちょっと恥ずかしいねん…。」                     「あんた、ほんまに…ええ加減、アホな事ばっかりすんのやめてや…お父ちゃんも、お父ちゃんやけど…。」

 「それは大丈夫や、まかしとかんかい…特に先生の事は、お父さんと呼ぶ日がくるまで………。」

  「ぜったい!…そんな日は、け~へん‼」  「ごきげんよう、さようなら……。」

   「じょ~だんやん… なぁ夕子……」

    「…あんた、…誰…?…」

  「そんなぁ……逆戻りや~~~」

 「アホっ…! それこそ冗談や…バイバイ。」

  「うん…またあしたなぁ~~~~」

 「…もう、わかった…って、 またあしたや~ ……。」

  「ほな、あしたは… もう、普通に……。」

    「しつこい!」

スポンサーサイト



コメント

新しいブログ・・・気に入ってくれました・・・?

もう、履歴は残っていないはずだから、コメントを残しますね。

訪問有難うございます、私もほんとに毎日、訪問しているんですよ。

第60話も楽しみにしていますので、早く更新してくださいね。

返事は私のブログへ感想をお願いしたいですが・・・いいですか・・・?

Re: 新しいブログ・・・気に入ってくれました・・・?

> もう、履歴は残っていないはずだから、コメントを残しますね。
>
> 訪問有難うございます、私もほんとに毎日、訪問しているんですよ。
>
> 第60話も楽しみにしていますので、早く更新してくださいね。
>
> 返事は私のブログへ感想をお願いしたいですが・・・いいですか・・・?



OK!
非公開コメント