夕子、西成区、花園町在住。 第55話    (さぁ・・・いよいよやな・・・)

 「さぁ・・・いよいよやな。」

「・・・・・」

「さぁ、いよいよやなぁ・・・なぁ、たのむわ~『なにが、いよいよやねん・・・?』とか・・・なんか、言うてくれんと・・・」 

「…なにが、いよいよやねん・・・あほっ・・・」

「・・・アホは余分やろ・・・」「ええか、今日から12月や・・・いよいよ、正月までのカウントダウンが始まったど。」

「・・・・・」

「夕子…ど~したんや・・・もしかしてほんまに調子悪いんか?・・・熱でもあるんか?・・・お前がかかる病気やったら、他の人間やったら命に係るからな…人の為にも早よ、医者に行った方がええど・・・俺の事やったら心配いらん・・・お前には物心ついた時からエライ眼に合されてるんや、風邪ぐらいには負ける訳がない・・・世界で一番、お前に対しての免疫を持ってる男なんや・・・だいいちやなぁ、医者に行った事が無いお前を医者に連れて行く人間が必要やろ?・・・もしも~し…夕子さ~ん・・・」

「・・・おわったか・・・?」

「・・・なぁ・・・」

「何でも無い・・・マサ、ごめん・・・」

「おい・・・夕子・・・」「・・・どないしたんや・・・」

「あとで・・・宿題終わらせたらおいで。」

「わ、わかった・・・。」



 「お父ちゃん、ただいま・・・。」

「おう夕子、おかえり。」

「・・・なぁ、最近、お母ちゃんと話してる?」

「・・・うん・・・してるけど、どないしたんや・・・言いたい事は分からんでもないけど・・・」

「ちょっと前、お通夜の在った日や・・・帰ってこんかったやろ?・・・あれって・・・」

「ああ・・・夜中になってしもうてなぁ・・・鍵も無いし・・・お母ちゃんとこに泊めてもろうた・・・」

「やっぱり・・・せやけど、お母ちゃんとこやったら、早い時間に帰ろと思うたら帰れるやんか・・・お店閉めてからでも…」「なぁ、何してたん?」

「えっ!・・・」「お、お前・・・時たま、剛速球投げてくるなぁ・・・。」

「・・・別に変な事を想像してる訳やないけど・・・お母ちゃんが泊ってもええって言うたんやろ・・・?」

「・・・あ、当たり前やないか・・・」

「今日から12月や・・・正月まで一カ月、例のマッサージもほとんど無くなってる・・・期待してもええんか・・・?」

「・・・・・」

「なぁ、うち…期待してもええんやろ?」

「・・・う~ん、正直な話…微妙やな。」

「・・・あんまり、期待はでけへんって云うこと・・・?」

「ほんまに、微妙なんや・・・かなり、ええ方向には向いてる…それは間違いないんや。例のマッサージも、残ってるんは2人だけで、なんとか年内には・・・」「せやから、正月までにはとなると、微妙なんや・・・。」

「正月に間に合うのと、間に合わんのとでは大違いや・・・」

「そ、そうやな・・・けどな、正月の事は、お母ちゃんもちゃんと考えてくれてる…おせち料理もそうや・・・戎さんにも行くって言うてた。」「だいいち、誤解はほとんど解けてるみたいなんや…俺の事も信じてくれてるようやし・・・あとは、気持ちの整理なんやろ・・・俺に出来る事は、あれをゼロにする事だけや。」

「そうなんか・・・わかった・・・」

「なあ夕子、元気が無いんは、そのせいなんか?・・・えらい調子が悪そうやけど、病気や無いやろな・・・?」

「あの日から、色々と考えてたんや・・・もしかしたら…とか、せやけど・・・やっぱり…とか、いや、そんなはずは…とか・・・」

「おい、その辺にしといてくれるか、なんか一言一言が…グサッとくるわ・・・」

「正月は特別やし・・・うちが気持ちを膨らませ過ぎとったんや・・・わかった…もう…ええ・・・。」

「なぁ夕子、正月には間に合わんでも、お母ちゃんが戻って来るんは間違いない・・・と思う・・・それも近いうちや。」

「・・・それも、解かってる・・・」

「おい、お前…ほんまに調子悪そうやけど、大丈夫なんか?」

「大丈夫や・・・気落ちしてるだけや。」

「ええか、お前がかかるような病気やったら、普通の人やったら命に関わるんやど、無理せんと医者に行かんと・・・」

「またかいな、2回目やで、その言い方・・・マサと合わせて3回目・・・見事なくらい・・・お父ちゃん、ほんまはマサと親子なんとちゃうか・・・全くおんなじ事言うなぁ・・・びっくりするわ、ほんまに・・・。」

「えっ・・・いやっ、それはマサだけやのうて…誰でも思う事やろ・・・」

「あのなぁ…うちは、何モンやねん・・・もうすぐ、そのマサが来る・・・宿題終わらせてくるわ。」

「おう、それやったら、喋っとったらアカンがな、早うせんとマサ来よるで、まぁ、マサが早う来たら、俺が相手しといたるけど。」

「そんなに長話なんかしてへんやんか・・・今日の宿題…内容的にはほぼ一緒…うちのカンでは15分くらいで終わるはずや・・・うちが15分って事は…マサは、1時間以上はかかるんや、どないしても間に合う。」

「・・・さすがは…夕子や・・・」



 「先生、こんにちは~、夕子ちゃんいてますか?」

「ほんまに・・・ざっと1時間半や・・・さすがは…マサや・・・」

「…?…僕のなにがさすがなんですか・・・」

「いや・・・夕子も、お前も、さすがや・・・夕子待ってるわ、上がっていけ。」

「はい、お邪魔します。」



 「夕子、どうや~・・・ほんまに・・・」

「大丈夫や!・・・病気とはちゃう・・・お母ちゃんの事で落ち込んでただけや・・・」

「そうか・・・ほんでも、近いうちにおばちゃん帰って来るみたいな事、青田先生が言うとったで・・・なんで落ち込むんや…喜ぶんやったら分かるけど・・・」

「・・・あんたも最近、正月、正月ってうるさいやろ・・・うちはなぁ・・・うちかて正月を一緒に迎えたいんや・・・」

「そうか・・・俺…あんまり正月、正月って言うのやめるわ・・・ゴメンやったなぁ・・・」

「そんな事、気にせんでもかまへん・・・マサはマサらしい…しとったらええねん。」

「そうか・・・せやけど・・・」

「どないもならん事みたいや・・・お母ちゃん次第なんやろうけど、気持ちの整理・・・複雑なもんがあるんやて・・・こんな時、大人やったらお酒を飲むんやろな・・・お母ちゃんに会いたいわ~…そうや!、『洋子』に行こ・・・マサもくるか・・・?」

「えっ、急にかまへんのんか?・・・嬉しいけど・・・いっぺん家には帰らんとアカンけどな・・・本気か?」

「本気や・・・決めた!行く!・・・あんた、宿題ちゃんとやったんやろな・・・」

「ちゃんとやって来たわ・・・信用・・・」

「してる・・・時間が証明してくれてるわ・・・うち、今から先に行ってるから、良かったら後からおいで・・・食べるもんは期待したらあかんで。」

「わかった・・・」


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まとめ【夕子、西成区、花園町】

 「さぁ・・・いよいよやな。」「・・・・・」「さぁ、いよいよやなぁ・・・なぁ、たのむわ〜『なにが、

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大阪に22年おりました。

大阪弁のここちよさ、味わいに来てます。 いいですね!

cosmosさん、有難うございます。


cosmosさんのような難しい事は書けませんが、今後も夕子と昌幸の活躍を応援してやって下さい。

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弘と書いてひろむと読みます

Author:弘と書いてひろむと読みます
主人公の夕子と昌幸は作者と同級生と云う設定。          ディープな町、西成区花園町の世界を御堪能下さい。

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