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夕子、西成区花園町在住。 第54話  (ふぅ…サブちゃんよかったわ)

  「…ふぅ… サブちゃん…よかったわ~ …時間かかったし…疲れたやろねぇ…?」

   「いや、そんなこと…ぜんぜん。」

  「…先生、有難う…。 ねぇ、私のからだ…きれい…?」

 「ごっつい綺麗ですやん。 琴美さん、急になに言うてるのん…… あたりまえやんか。」

 「…見た眼は綺麗でも、私らの体は…汚れてきたないんやそうです…。」 「せ…先生だけや……うっ……」

  「琴美ちゃん…。 …どないしたんや、急に…?」

 「…ゴメンね…… 年末も近づいて、帰る田舎も無い私は…また、一人の正月を迎えるんやと思うたら…ちょっとね…。」

 「それは話が違うやないですか…誰がなんと言おうと、琴美さんは見た眼も内面も、間違い無く綺麗な人です…。」                    「正月の話は、俺にはどうしようも無いかも知れんけども…。」

   「…せやね、これは…どうしようも無いもんねぇ…。」

   「琴美さん…。 俺で良かったら、出来るだけ……。」

 「そこが先生のアカンところやんか…。」 「まぁ、ええとこでも在るけど…下手に期待させたらイヤですわ…。」

   「いや~ なんて言うたら…。」

 「もう、なんも言わんでもよろしいわ…よう解かってるつもりなんです……。」                                 「どう言えばいいのか、先生への気持ちは、いわゆる普通の恋愛とは違います…先生、ほんまにええ男で…なんて言うか、ただの二枚目だけや無うて、体格もええし、きっぷもええ…。」 「大袈裟に聞こえるかも知れませんけど、あの日から…この人が私のええ人やと思う事で…毎日を頑張ってきましたんや。」 「…けど、せやから言うて、奥さんを羨む事も無ければ、まして結婚なんか全く望んでません…。」 「それは今でも変ってないのですけど…例の話で困ってる時…先生の奥さんが出ていきはった…と聞いて、私らのせいやとは解かってましたけど、断る口実に使わしてもらったんですわ…儚い期待が全く無かったと言えば嘘になるかも知れませんけど…。」

   「春駒姉さんも同んなじような事を言うてはりました…。」

 「警察官の頃からカッコええ人やと思うてました…。」 「せやから、春駒姉さんに先生の仕事の内容を聞いた時、すぐに飛びつきましたんや。」 「他の子も一緒やと思います…私らは普通の女の人とは考え方は違うんやろうけど、敵になる人…味方になる人が直感的に判りますんや。」

   「それも、春駒姉さんが同じことを……」

「そうですやろ…ただ二枚目やと言うだけやない…それが先生には在りますねん…それがサブちゃんの魅力ですねん…。」

   「こそばいような… 琴美さん、有難う。」

 「ふ~今日で… いや、今年いっぱいで終わりにさせてもらいますわ…。」

   「えっ…ほんまですか?」

 「飛田の女は、仕事を離れたら嘘はつきません…。 年が明けたら、私も…普通の客に戻らせてもらいます。」

    「琴美さん… ありがとう…。」

  「せやけど… せやから、今年一杯は…お願いしますえ…せんせぇ~。」

    「…頑張らせてもらいます…。」

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