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夕子、西成区花園町在住。 第50話   (菊人形なんか…遠足 後編)

   「菊人形なんか…なんにもおもろなかったなぁ… 夕子、お前かてそうやろ…?」

「マサ、あんたと一緒にしいなや…と言いたいとこやけど、ほんまにおもろなかったわ……。」                        「あんなもん菊のかたまりにマネキンの首付いてるだけや。」

  「えっ~、夕子ちゃん…私らは綺麗やと思うたけど…な、まゆみちゃん…?」

 「うん、うちも、初めて見たし…よかったわ~あんなん作る人もすごいと思わへん…?」

   「そら、作った人はすごいと思うけど…。」

「今日は邪魔してゴメンやで…。」                                                            「せやけど、お前らも、夕子とはちっこい時から付き合うてるくせに…夕子の事、解かってへなぁ…。」                    「夕子があんなもん好きな訳無いやないか…… この辺にしとかんと怖いから……弁当にしょうか…?…」

「…そのタイミングでやめられたら、怒るに怒られへんやんか…。」                                         「それよりマサ、歯はまだ痛いんやろ…弁当食べられるんか…?」

  「そうやてなぁ、やんちゃもんの藤川君も、虫歯と夕子ちゃんには勝たれへんみたいやね…無理も無いけど。」

  「ほんまや、歯が痛いのだけはたまらんわ~ …昌幸ちゃん可哀そうに…。」

「そんな風に言われたら、恥ずかしいんやけど…夜も寝られへんかったからなぁ…。」                            「事のついでに、ひとつ付け足しとくけど…虫歯と夕子とやったら…夕子の圧勝や…どっちにも勝たれへん…絶対に…。」

「この期に及んで…まだ、そんな話が出来るんか……?…。」                                          「ネタ思いついたら、どんな状況でもねじ込んで来る癖も…治療した方がええと思うで…うちは……。」

 「まゆみちゃん…学校名物の漫才の始まりやで…それこそ、どんな状況でも出来るんやなぁ~~~」 

 「恵子ちゃん、やめて…… マサのせいで…ほんまに…。」 「そ…そんな事より…マサ、あんた弁当は…?」

    「…これや。」

 「水筒やんか…やっぱり痛とうて食べられへんからお茶だけ飲むつもりなんか…?」

  「二つ在るやろ…? 一つはお茶…もう一つはお粥や…。」

   「ほな、昌幸ちゃん…おかずは…?」

     「無し…。」

 「かわいそ~~」  「かわいそ~~」  「かわいそ~~」

 「……3人に同時に言われたら…ほんまに悲しゅうなってくるやないか…。」

 「とにかく、帰ったらすぐに歯医者に行くんやで…あんたの大嫌いな…。」

 「気を紛らすためにここにおるのに、お前…矢印のシッポにトゲまで生えて来たようやな…。」

「…こ…こらっ…まさ……」 「あっ、まゆみちゃん…何でもないから、恵子ちゃんも気にせんといて…。」                  「とにかく…歯医者にだけは絶対に行っとかんとあかんで…私も大嫌いやけど…マサも大嫌いな…。」

   「歯医者が好きな人なんか…絶対、いてへんわ~~ あぁ…考えるんも厭や……。」

  「私もや…あの音、思い出すだけで…ああっ、もうあかんわ……けど、矢印のシッポって…なに…?」

    「お前ら3人の共通点や…。」

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