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夕子、西成区、花園町在住。第47話(今度やったら、ちょんぎるで…地域限定余談)

 「まいど~。おう若女将、この頃は毎週のように出迎えてくれるやんか嬉しいで。おまけに将来の若旦那も一緒やないか。」

「うちにとって、人生の汚点になるような事、言わんといて。」

「うわっ。みんな気を付けんと、今日の若女将は怖いで。」

「なに言うてんの。うちがお客さんに怒る訳ないやんか…ビールと土手焼き人数分やろ?毎度、おおきに。」

「たいしたもんや。これは、藤川くん、絶対尻に敷かれるで。」

「せやから、人生の汚点や言うてるやんか。」

「夕子、昌幸くん放っといたらあかんやないの・・・はい、お待ちどうさま。」

「おっちゃんら、ほんまに誤解せんといてや。けど、今日はマサが居るから、最初に注いだら終わりやで・・・食べ終わったら帰るよって。」

「よっしゃ。・・・まぁ、まずは乾杯や。・・・はい、お疲れさん。」

「おい、昌幸くん、しっかり食べてるか?…お前が大人しいしとったら可笑しいやないか。」

「ああ、山本のお兄ちゃん今晩は。」

「いつもの元気はどないしてん?」

「いや、元気です。」

「せやから、尻に敷かれるって言われるんや・・・おっと、こんな事言うてたら、また若女将に怒られるわ。」

「ほんまや。ええ加減にしてや。マサも早よ食べ、帰るで。」

「うん。けど、ちょっと待って・・・お兄ちゃん、聞きたい事があるねんけど、いいですか?」

「えっ昌幸、なにが聞きたいんや?」

「あの~、お兄ちゃんら、行き帰りは地下鉄でしょ。南海電車は乗らへんのですか?」

「そら、南海電車も乗るけど、通勤は地下鉄やな。家やこの店には、花園町より萩之茶屋の方が近いんやけど、職場は天下茶屋より圧倒的に岸ノ里の方が近いからな。けど、なんでそんな事聞くんや?」

「お父んが言うには、去年、新今宮の駅が出来て便利にはなったんやけど、萩之茶屋の駅に電車が停まらんようになったって言うんですけど、ほんまですか。」

「そんな訳無いやないか。なぁ。」

「いや、森川さん、ほんまですわ。停まらん訳や無いんですけど、おそらく半分以下になったんとちゃいますか。」

「お父んも、そんなふうに言うてました。兄ちゃん、なんでか知ってるんですか。」

「山ちゃん、俺も聞きたい…教えてくれ。」

「はぁ、新今宮が出来るまでは、難波から天下茶屋まで、すべての普通電車が停まってたんですけど、新今宮が出来てから、本線と高野線に別れてしまいましてん。」

「??・・・ほんで?」

「だから、今宮戎と萩之茶屋は高野線の駅なんですわ。せやから、本線の・・・和歌山行きの電車は、普通電車でも停まらなくなりましてん。わかります?」

「???・・・いや、なんか、判ったような判らんような・・・ええか、新今宮は新しい上に、乗り継ぎ駅やとしても、天下茶屋はどっちやねん、今の話やと本線の駅なんやろ?せやのに天下茶屋には高野線の電車も停まるんかいな?」

「そうですねん。天下茶屋はそこから分岐する駅やし、将来的には大きな乗り継ぎ駅になる予定もあるとかで、こうなったんやそうですわ。」

「ふ~ん・・・萩之茶屋も舐められたもんやな。」

「・・・まぁ、それはなんとも言えませんけど、とにかく、本線の方が本数も多いので、停まる電車は半分以下になったはずです。」

「そら、萩之茶屋の駅から見たら不便になったわなぁ・・・知らんかったわ…どや、昌幸も解かったんか?」

「???・・・はい。有難うございました。」

「良かったやんか。ほなマサ、帰ろか?」

「うん。おばちゃん、ご馳走さまでした。」

「せやから、森川さん、僕らも仮に南海電車で出勤するとしたら、萩之茶屋で電車を待つより、新今宮まで歩いた方が早いかも知れませんで、すぐそこですしね。」

「まぁ、たしかに近いけども・・・」

「おっちゃんら、うちら帰るで、ゆっくりしていってや。」

「ああ、若女将と若旦那、気を付けて帰るんやで。」

「もう、ええって。汚点や、汚点・・・ほんまに・・・お母ちゃんもお休み。」

「ちょっと待ち・・・はい、気を付けて。昌幸くん、これ、ちらし寿司、持って帰り。」

「あっ、いつも有難うございます。こんなにたくさんいいんですか?」

「あんたらの為に作ったんやから、気にせんでもええんよ。」

「お~い、ママ、おかわりや。」

「・・・ほな、お休み・・・はい、はい、森川さんはお湯割りですか?」



 
 「夕子、ありがとう。ほんまに美味しかったわ。お腹も一杯や。」

「・・・うん、そら良かったわ。」

「なんや、まだ怒ってるんか?。お前って、悪魔も思いつかんような恐ろしさと、怪獣が謝るほどの凶暴性を持ってるんやけど、しつこく無いとこが取り柄のはずやったのに。」

「なぁ・・・とりあえず、笑いを取ったら勝ちやと思うてるやろ?・・・」

「うん、けっこう・・・思うてる・・・」

「いつも笑うとは限らんやんか。」

「せやねん。笑うんか、怒るんか、そこは、いちかばちかの勝負なんや。」

「磨きが掛かって来た陰には、それなりの苦労があるんやなぁ。」

「努力は必ず報われる・・・って、教えてくれたんは、夕子のおっちゃんや。」

「・・・次は無いで。」

「…えっ・・・」

「・・・今度、女風呂に入って来たらちょん切るからな。覚えときや!」

「うわっ・・・なぁ・・・ちょん切るって、どこをやねん?・・・」

「・・・なぁ・・・お願い・・今のは、忘れて・・・・誰にも言うたらあかんで・・・」

「・・・えっ・・・うん。」

「絶対やからな!」

「わかった誰にも言わへん。けど・・・しんでも、生まれ変わっても覚えてると思う。」

「ためしてみよか?・・・」

「・・・完全に忘れた…お休み。」

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こういう小説のブログはいくつか知ってますけど
ほとんどが会話の小説って
めずらしいですよね
難しくは無いんですか?  (*^▽^*)

加夢さん、有難うございます。

今回は、浪速のコメディーと云う事で、会話のみの作品にこだわっています。

関西以外の人には読みにくいとは思うのですが、会話は大阪弁、状況解説は標準語となるとリズム感が狂いま

す。会話に中で様々な情景が描けるように努力しているつもりですが、御指摘のように、確かに難しいです。

今後とも、貴重な御意見をお願い致します。

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