FC2ブログ

夕子、西成区花園町在住。 第45話   (マサ…うちは先に帰るで…)

  「マサ、遊んでんとさっさと終わらせんかいな…… うちは先に帰るで。」

 「冷たい事言うなや。 今日が油引きやとは忘れとったけど、掃除当番やからしょうが無いやろ~。」

「あんたは、油引きを楽しんでる… 遊んでるようにしか見えへんから、うちは帰るって言うてるんや。」                   「…それに…お腹もペコペコやし…。」

「腹は俺かてペコペコやけど、油引きは土曜日に決まってるからな…判った、すぐに終わるけど先に帰ってくれ。」            「昼ごはん食べたら…遊びに行く。」

「無理には来んでもええけど…とにかく、油でドロドロのまま来たら、家には上げたれへんからな。」                    「汚れるだけや無うて…うち、その匂いは嫌いなんや…。」

   「着替えてから…行ったらええんやろ…?」

    「…無理には来んでもええ。」

     「…………」

 「おい藤川、お前ら仲良さそうに見えるけど…ほんまは青田に嫌われてるんとちゃうんか…?」

「アホっ、あれはあいつ特有の…俺に対する愛情表現なんや…。」                                        「たまに俺も、ややこしいはなるんやけど…たぶん、おそらく…間違い無い…と思う。」

  「青田だけは、敵に回した無いもんな。 …お前の気持は判るで…。」

   「いや、そう云う問題や無うて…。」



 「夕子~ 忙しいのに無理してやな…服まで着替えて来たったど~。」

 「あんた、ほんまに…予想通りのセリフで登場してくれるなぁ…。」

 「期待は裏切ったらあかんやろ…俺の使命感の現れやないか。 それにやな…この袋の中身を…何と心得る。」

   「マサ~~、…早よ上がっといで。」

  「はい、座布団……うちの分も使うか…?」

 「夕子とこに行く言うたら、お母んが持って行き言うて…芳月で買うて来てくれたんや。」

  「花もよう咲かせん子やけど…面倒見てるからやろか…?」

 「夕子、お前なぁ…あの時つまって返事せえへんかったやないか。」

 「…そうやったような気がする…こう云う事は、あんたよう覚えてるなぁ…記憶は適当に、整理した方がええと思うで…。」

   「…軽く、ショックやったからな。」

  「この次にはすぐに返事するから。」

   「ほんまか…? なんて…?」

     「………」

  「お前、ほんまは…俺の事嫌いやろ…?」

 「違う! マサ、それは違うで… 勘違いしたらあかん。」 「なんて言うたらええのんか…ちゃうんで、違うんや…。」          「仲良うするのと面倒見るのは違うやろ…? …うん、そう、そう云う事やねん…… 判るやろ…?」

  「今日、木島って云う奴にもそんな事言われたからな…その時にはあんまり気にしてなかったのに…。」

   「なんて言われたん…?」

  「ほんまは…嫌われてるんやないかって……。」

   「なんで…?」

 「夕子が…『無理に来んでもええ』…って、2回も言うからや…。」

   「マサもそう思うたんか…?」

 「いや俺としては、夕子特有の…俺への愛情表現やと…思うてるんやけどな。」

 「なぁマサ、怒ったりはせえへんけどな、愛情表現の意味と使い方…根底から間違うてるで…。」

   「え~~っ、…どこが…?」

「全部や、全部…… うちはただ、油引きの油とその匂いが…ほんまに嫌いなだけやねん。」  
 「せやから、マサが来るのは厭やないけど、無理に来んでもええって言うたんや。」

   「うん…… そう言われたら判りやすいわ。」

 「ええか…よう聞いときや。 うちがあんたに愛情で表現する時は…将来、とことん練習したのにオリンピックの予選に落ちた時か、不慮の事故で 死にかけてる時ぐらいや……覚えとき…。」

   「…記憶の整理につとめるわ…。」

  「マサ、今日は土曜日やから…プロレスの日やろ…? 今から先に…風呂に行かへんか…?」

   「えっ、なんで…? なんかええ事でも…?」

「あんた、どことなく油の匂いが…染みついてるんや…。」                                            「けど…銭湯で匂い落としたら、お母ちゃんとこへ一緒に…マサさえ良かったら一緒に行かへんか…?」

 「行く~~~~ すぐに帰って、お母んに言うて…風呂に行ってからもう一回来るわ。 ほんまにええのんか…?」

  「うちは行く予定やったんや。 かまへんと思うけど…ちょっと電話して来るから待っとき。」

    「…わん!」


  「OKや。 …『お腹すかしておいで』…やて…。」

   「やった~。  ほな、一回帰るわ…。」

    「5時までにおいでや。」

   「何が在っても…遅刻はせえへん。」

 
スポンサーサイト



コメント

夕子ちゃんとマサくんの関係は
姉弟みたいですね~
マサくんはちょっと惚れちゃってるかなーっ(〃▽〃)ポッ
土曜日も学校に通っていた頃が懐かしいっ♪
翌日も休みだから
土曜日の夜はいつもより遅くまで起きていてもOKだったり~(^^)
8時だよ全員集合が楽しみでしたっ(笑)

ティクレアさん有難うございます。

夕子とマサは架空の人物ですが、私自身の体験や見聞きしたもの、全部を二人にかぶせて物語を作っています・・・もちろんモデルとなった人は居るのですが…実際のところ、私と好きだった女の子なのでしょうね。

土曜日が「はんどん」だった頃・・・懐かしいですよね、実は物語を書き始めた時には忘れていたのですが、思い出して訂正したのです。
非公開コメント