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夕子、西成区花園町在住。 第32話      (運動会その後)

  「俺、去年のオリンピック観て、体操選手にあこがれたんやけど…今は柔道もええなって思うてるんや。」

    「絵に描いたように単純な奴っちゃなぁ。」

 「肘をはめてくれたんは勿論の事やけど、なんて言うんか…言葉のひとつひとつが俺にはグッときたんや。」

 「うちも、あの時のお父ちゃんには、確かに惚れ込んだわ。 でも、それは、お父ちゃんにで、柔道選手や無いやんか。」      「精神的な事なんやから、目指すんは体操選手でええのとちゃうのん。」

 「ど~~言うたらええのんか…おっちゃんの言葉はもちろんやけど、持ってる雰囲気が…なんか特別に感じたんや…。」      「それって、いろんな意味で柔道やってたから見に着いたんとちゃうんかなぁ…夕子はどう思う…?」

   「マサ、あんた今日は一から十まで…真面目な雰囲気が漂うてるなぁ。」

 「俺はいたって真面目や。 中学へ行ったら、どうせ柔道習うしなぁ…体操クラブ行くのを柔道に変えたら、中学生になるまでに…もしかしたら、お前よりさきに強くなれるかもわからんし……。」

    「アホ、中学で柔道習うのは男子だけや。」

  「えっ、ほんまか…?  ほんなら、夕子は? …空手か、合気道か…ひょっとしたら相撲とか…?」

 「ホンマ…疲れる奴っちゃなぁ…その代わりボチボチ本来のマサに戻って来たみたいや。」                        「せやけど…とにかく、そんなもん習うわけ無いやろ。 だいたい女子はうちだけや無いんやで。」                                           
  「へ~ぇ。 お前やっぱり、自分でも自分は普通の女の子とは違うと認めてるようやなぁ。」                       「い、痛っ~!」 「う~っ、いきなり本気で蹴ったやろ…お前、すでに凶暴性ではキングギドラを超えてるど…手加減してや~っ。」

  「あのなぁ、うちはマサ以外には、間違いなく…可憐な乙女で通ってるはずなんや。」

  「それは、間違い無く…間違うてるで。 勘違いや…夕子の勘違いや…間違い無い。」

      「……マサ~~!」

 「うわっと、危っぶなぁ~ 1日に2発も食ろうたら命に関わるやないか。」                                   「なぁ、よう聞けよ、ガメラなんか怪獣やのに子供の味方なんやで。」                                       「夕子も絶対、1回くらいは観に行った方がええ…人間同士の絆や親子の愛情、友情の大切さ…特にここやな。」           「それと真の正義とはなにかが……なぁ、最後まで聞いて………」

     「最後からしゃべり!」

  「…え~っと、…せや、女子は普通の体育とは別になにを習うんや?」

 「実はうちも、良くは知らんのやけど、上級生の話では、ダンスを創作したり、発表したりする【ダンス活動】とか言うとった。」

    「…えっ、たんす担ぎ…?」

      「ダンス活動や!」

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コメント

こんにちは♪
メチャメチャ過去のお話にコメント失礼します。
実は今、最初から少しずつ読ませてもらっていて。

「たんす担ぎ」があまりにツボで
どうしてもコメントしたくなっちゃいました♪

akoさん、有難うございます。

> こんにちは♪
> メチャメチャ過去のお話にコメント失礼します。
> 実は今、最初から少しずつ読ませてもらっていて。
>
> 「たんす担ぎ」があまりにツボで
> どうしてもコメントしたくなっちゃいました♪


メチャクチャ嬉しいです・・・本当に有難うございました。
夕子と昌幸は架空の人物では在りますが、数人が混在するようなモデルが居ります。
この『タンス担ぎ』も実話です。

私の通っていた中学(秋野陽子さんが1年先輩、赤井英和さんが2年後輩でした)では、女子はダンス活動なるものを体育の授業で実施しており、高校になると創作ダンスをやっていた記憶が在ります。

しばらく書き直しに時間が掛かりますが、今後ともよろしくお願いいたします。
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