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夕子、西成区花園町在住。 第22話         (カレーライス後篇)

 「カレーの件は約束したから、もう取り消されへんで。 それにしても、久しぶりに…ちょっと怖いお母ちゃんを見たわ。」        「今頃、お父ちゃん…クシャミしてるんとちゃうか…?」

 「ハッ…クション!」 「う~、夕子の奴…髪の毛切り終わったら、しょうも無い事しゃべっとらんと、さっさと帰ってこんかい。」

  「なぁ、うちもいつかはあんな胸になるんやろか? 気持ち悪いほどはいらんけど。」

       「…無理やろね。」

     「え~っ…なんで~?」

  「なんやかんや言うても夕子も女の子や…。」                                                 「実は、なりたいんやろ?… けど、ほんまに期待したらあかん、お母ちゃんも洗濯板や…。」

 「えっ、お母ちゃん、うちみたいにガリガリとちゃうやん。 いつもは着物やからあんまり判らへんけど…。」

  「女の人はなぁ…大人になったら、付いて欲しいとこだけや無うて、いろんな処にお肉が付きますのんや……」           「もう、いらん事言わす子やわぁホンマ…よそで言うたらシバク…怒りますわよ。 …さぁ、はよ帰り。」

     「うち、いろんなとこでお母ちゃんに似てるんが判ってきたわ。」

 「お邪魔します。 鍵が開いてたから、そうかなぁ…とは思いましたけど…サブちゃんは銭湯行かへんかったんか?」

 「寝る前に行くわ…夕子から聞いて待ってたんや。 どう云う風の吹きまわしかは知らんけど、有難う…嬉しいわ。」         「夕子の奴、盆と正月…一緒に来たぐらい嬉しそうやった。」

 「べつに、どっちからか風が吹いてきた訳でもありませんけど……ふ~ん…ここで、飛田のお姉ちゃんとなぁ…」

     「おい、そんな事を言うために……」

「なぁサブちゃん…出ていくんは私の方から出ていきましたけど…うちは離婚した覚えなんか全く在りませんのやで。」

  「何を言うんや、当たり前やないか。 俺もお前とは絶対別れとう無い…ほんまや。」                         「お前も知ってるはずやろ、なにをいまさら…」

  「あんたが、あくまでも仕事なんやと言うのなら、そうなんやろと思てます…お客さんは何人も居てはりますやろ。」        「けどもや…コトミ…琴美さん…ですか? …この人とは男と女の仲ですやろ、違いますのんか…?」

 「違う! 洋子お前、…琴美のこと…違うで、どこの誰に何を聞いてきたんかは知らんけど、違う。 誤解したらあかん。」

「聞きましたんや。 近頃、何度か来てくれはるお客さんですけど…あんた、コトミさんって人の旦那さんらしいですやんか?」             「もちろん籍は入ってませんやろうけど…」

       「………違うんや。」

 「すぐには否定出来へんみたいやね。」 「私がお店で聞いた事を…そのまま話しただけの事です…。」

    「洋子、お前どこまで…そのお客さんて…?」

  「まぁ言い訳、ゆっくり考えなはれ。 今はこのくらいにしときましょ…夕子ら、もう帰ってきますやろ。」

  「いや違う、ほんまに誤解なんや。 事の初めから話すよってに…。」                                     「それに夕子のやつ…こう云う時は気ぃ遣うてゆっくり帰って来るはず…せや…あいつは、そう云うやっちゃねん。」


    「ただいま~~お母ちゃん来てる?」

        「うそっ!…」

     「思いっきり…期待は裏切られたみたいやね。」

   「いつも以上に早いやんか。 今日こそ…今日だけは…期待を裏切ったらあかんやろ~」 

 「今日やからや…お父ちゃんの事も、頭の…隅の隅をかすめたけど…お母ちゃんが来てると思たら…必然の結果や!」

   「……さっ、…カレーの支度しますわ。 夕子も手伝うてくれるやろ…?」

      「な~んでも手伝うし。」

    「あたしは、何したらええやろか…?」

「お義母さんはゆっくりしてて下さい。 たくさん作るからね、明日にはもっと美味しく成ってるはずやから期待しといたらええ…」            「さぁ夕子! 気合い入れていくで~」

 
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はじめまして!

弘と書いてひろむと読みます様

始めましてこんにちはscal oyajiと申します。

毎日楽しくブログを、いや、すばらしい人情ドラマを妻と共に拝見させていただいております。

さすが大阪人!と言いますか、まるでそこの舞台で芝居を観ているような、そんな感性豊かな表現力とストーリーに感服しております。

なので皆さんに是非あなたのブログを見てもらおうと勝手ながら私のブログのリンクに貼り付けています。勝手をお許しください。

また、私のブログに忙しいにも関わらず毎日訪問していただき、ありがとうございます。

これからもすばらしいドラマを堪能させていただきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。



scal-oyaji さん有難うございます、とても嬉しいです。

こちらこそ本当に有難うございます。

どのような言葉より励みになりました。

今後とも宜しくお願い致します。
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