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夕子、西成区花園町在住。 第18話        (2学期も…)

   「2学期始まったと思うたら、もう、運度会の練習やもんなぁ。」                                      「秋が厭とはちがうんやけど、俺、せっかく25m以上泳げるようになったのに、まだまだ夏のままでおって欲しかったわ。」

       「夏休みがやろ?」  
                           
 「夏休みなぁ、宿題さえ無かったら言うことないんやけど…自由研究がなぁ、ちょっと夏休み嫌いになったわ。」            「担任の先生ってなんで替わらへんのかなぁ、入学してから3年生までずっとおんなじ先生やろ。」                    「坂口先生、ボロカスに言うもんなぁ……。」

 「あのなぁ…よう聞きや…1年、2年と何にも生えて無い植木鉢持ってきてやで…3年生になったら、訳の解らん草を、『このアサガオ花が咲きませんでした。』って…言うて持ってきたら、うちでも怒るわ。」

「お前はいつも怒ってるやん。」 「…せやけど、先生が毎年替わってたら、ちょっとはマシやと思うやろ? 思わへんか?」

  「あんたらしい発想やわ…意味は解らんでもないけど、根本的な考え方と性格、変えた方がええで。」                「まぁ、マサのプラス思考で物おじせえへん性格は羨ましいぐらいやけどな。」

    「俺は…夕子に褒めてもらえるとこが在るだけでうれしいわ。」

 「あのなぁ、うちやったら、訳の判らん草の生えた植木鉢を学校に提出する勇気はないと云う意味や……。」             「まぁ、それもプラス思考かもな…」「うちが思うに…マサに出来て、うちに出来へんのは…たぶん、バク転だけや。」

     「よっしゃ~! 一つでもあったら十分や、ありがとう。」

       「そこっ!…その性格大事にしぃ‼」

       「わかった…まかせとかんかい!」

   「あちこちで言うたらアカン……ここだけの話にしときや…」


     「いらっしゃい。 夕子ちゃん来てたんか…?」

   「あっ、マサのおばちゃんこんにちは、おじゃましてます。」

 「子供はええなぁ、うちのお父さんなんか、土曜日まで、半ドンどころか夜まで仕事や。しまいに体壊してしまうで、ほんまに。」  「せや…夕子ちゃん、昼ごはんは食べてきたんやろ…?」                                            「新喜劇はもう終わるけど、テレビでも観ながらアイスクリーム食べへんか…?」

       「芳月の!……?」

   「二人同時やったね。 当たり前やんか。」

       「……☆…☆……」

  「食べてる間は静かやね。 夕子ちゃんもモナカのふた開けて食べるタイプやね。」

     「はい…おばちゃんも…?」

    「そう、必ず…絶対そうするわ。」

  「そうやんね、やっぱり…うん、美味しかった。 ご馳走さま、おばちゃん有難う。」

 「い~え、ゆっくりしていってね。」 「それから、花一つ育てられへん子やけど…これからも面倒みたってや。」

       「……………」

   「お前、なんでもハッキリ受け答えするくせに、いま、返事に詰まっとったやろ…。」

 「さすがに、『はい。』…とは………。」                                                          「だいたい、うちらの住んでるとこ花園町やで、周りみても、梅、松、橘、うちの住所も西萩町や。」                     「花や植物の名前ばっかりやのに…花ぐらいちゃんと育てんかいな。」

      「それはあんまり関係ないんとちゃうか…?……。」

       「…せやな、…うちも言いながらそう思うた。」

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