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夕子、西成区花園町在住。 第16話      (マサ、地獄の3日間…)

 「は~~っ… ここまできたら、俺らのカイキンショウは間違いないけど…いよいよ地獄の3日間が始まりよる。」

   「このアホが…結局、夏休みの友やってへんかってんな? あれだけ言うたったのに…。」  
「でも、これも言うたはずやで…? 本気で頑張ったら3、4時間で終わるって…。 3日も地獄が続かんですむはずや。」

     「俺を誰やと思てるんや…そら、夏休みの友だけやったらな……」

 「やっぱりな…夏は植物だけと違うて…アホも育つんやな…」 「それにしても進歩の無いやっちゃなぁ。 ええか…毎日やったら、一日10分で済むのに、いっぺんにするとなると大変なんや。」 「とにかく、いまさら言うても遅いわ。 頑張るしかないやろ…あんたの実力からして、3日で済んだらええ方や。」 「けど、絵日記は毎日ラジオ体操とプールの事でもええ、嘘や無いんやから。 でも、肝心の自由研究はど~なったんや…アサガオは…今年も枯らしたんか…?」

   「今年は、毎日水やって、もし忘れても2日目には水やって、ちゃんと芽が出たんや。」

 「ほな、観察と記録を忘れたんやな。 簡単でええからメモしといたら…まとめるんは後でも出来るっ言うたったやろ。」       「人の言う事聞かへんから、こうなってしまうんや。」

 「ちがう、ちがうんや。 夕子の言うた通り、いつでもまとめられるように、日付書いた紙を日数分用意して…さぁ、記録しよと思うたら、…近所の猫がせっかく出た芽を食べてしまいよったんや。」

   「…なんで……なんで、猫って判るねん…? 見てたんやったら止めんかいな。」

    「それがな…芽が無くなった植木鉢に…代わりにウンチが乗ってたんや…。」                              「まさか犬とは違うやろ…? どこかに自分の専用便所にした猫がおるはずや。」

        「……そ…それで…?…」

 「別に、コヤシが利いた訳でも無いやろうけど、なんか他の草が生えてきよったんで、こいつをアサガオとして育てるしか無くなったんや。」

     「……うちの事はきにせんでええ…続けて…。」

 「順調に育ってきたんやけど、なんぼ待っても花が咲かへん。…なんの草なんか…もしかしたら、なんかの木なんやろか?」   「なぁ夕子、聞いてるか?…ここからはお前の助け無しではもう無理や。」

   「なぁ、力になれんで悪いけど……うち、ちょっと調子わるいみたいや、帰るわ……。」

 「ゆ、…夕子、そんな事言わんと。頼むわ、うちのお母んまで相手にしてくれへん。 あと3日しかないねんで、たのむわ~。」

      「…なぁマサ…いっぺんしか言わへんからよう聞いときや。」

        「うん、うん。 ありがとう、夕子。」

  「ええか…うちは、魔女でも魔法使いでもないから…雑草に花は咲かされへんのや! わかったか!」

   「…もうちょっと…はやい段階で止めてくれても…よかったのになぁ~なんて……」                             「せっかく芽が出た葉っぱ…大事にして……それでは…さようなら~お気をつけて…」

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