夕子、西成区、花園町在住。 第6話        (夕子とマサ、下校時)

 「いよいよ本格的に暑うなって来たなぁ。」「なぁ、夕子聞いてるんか?」

「ああ、ゴメンちょつと考え事や。・・・橘君のお誕生日会に誘われたんやけど、うち、あの子ちょつと苦手やねん。」

「なんで。」

「なんでって、うまいこと言われへんけど何んか合えへんて言うか、ちょっと人種が違うみたいな・・・」

「俺は同じクラスになったこと無いから、よう判らんけど、医者の息子やからな、勉強もずば抜けて出来るらしいやん。」

「せやねん。考えようでは悪いとこ無いねん。性格もまぁ普通やし、運動も普通に出来る。
マサとは全く違う生き物や。」

「俺かて、タコがいてへんかったら、走っても何でも、勉強以外は一番やで。」

「それも、ほんまや。マサかて、アホ過ぎる以外は悪いとこ無い。しかし、それが決定的なマサのウィークポイントや。」「お前、今、タコ言うたやろ!」

「聞き逃せへんなぁ、で、なんやそれ・・・」

「弱点って意味や。」

「俺の弱点はアホ過ぎるとこてか・・・認めた無いけどしゃあないな。夢は体操のオリンピック選手や。頭は要らん。」

「一流選手は、どんなスポーツでも頭も悪ないってお父ちゃんが言うてた。要するに、どんくさい奴は、頭もどんくさいんやて。ひどい奴は顔までボーっとしてるらしいで。」

「ほな、俺も頑張ったら勉強も出来るようになるかもしれん、と云うこっちゃな。」「柔道4段のおっちゃんが言うんや、間違いない。」

「マサのええとこは、そのプラス思考やな。」

「ただ、とっくに自分の家通り過ぎてるで。ハハハ、ほんまにアホやなぁ~、バイバイ~また明日な~。」

 「あっ、お母ちゃん。帰ってきてくれたんか?今、お父ちゃん居てへんけど。」

「知ってます。そこで、飲み友達と銀パレス入って行くの見ましてなぁ。せやから、しばらくは帰ってけえへんやろから、ちょっと夕子の顔を見て行こと思いましてん。」

「そうやったんか、やっぱり、お父ちゃんには逢いとうないんやなぁ。」

「そういう訳でも無いんやけど、何か気まずい気がして・・・」

「なぁ、お父ちゃんって、そもそも、なんで警察官辞めたん?」

「さぁ、なんでやろね。お母ちゃんにも判らへんの。あんなに制服似合うてたのに。」

「そこに惚れたんやろ。」

「ほんまにカッコよかった・・・」「正義感のかたまりって感じで、イキイキしてはった。それやのに、ある日突然な、警官辞めてきたから。って。」

「ほんで、お母ちゃんは何んて言うたん?」

「ん、なんにも・・・ああ、そうかって。」

「そんだけ?」

「はい、そんだけ・・・」

「なんでか気にならへんかったんか?」

「そんなん、どんな理由にせよ、この人が決めた事や、仕方ないですやろ。って思いましたんや・・・」

「うちも何となくお父ちゃんの制服姿は覚えてるねんで、特に、着てるとこより、ハンガーに掛かってるとこのイメージが残ってるんや。」

「・・・まぁ、それから、柔道を活かせるように、指圧や鍼灸の勉強しはってなぁ、この通りですわ。」

「とにかく、夕子が元気そうで良かった。ぼちぼち帰るわ。今度はいつお店に来る気やろか。」

「毎日でも行きたいんやけど、やっぱりのんびり出来る土曜日やわ。」

「サラリーマンみたいな事言わんとき。」

「なぁ、今度、マサ連れて行ってもええかなぁ。あいつ、お母ちゃんの料理食べたい、食べたいって、うるさいねん。」

「いつでもええよ。ほんなら、次の土曜日、決まりやね。」

「うん、判った。マサ喜ぶわ」
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主人公の夕子と昌幸は作者と同級生と云う設定。          ディープな町、西成区花園町の世界を御堪能下さい。

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