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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第45話


 「事件や…夕子、事件やど。」

「事件はあんたの専門分野やないか…うちとこに言うて来るのはお門違いやで。」

「分かってるわ。そう云う分野の事件とは違うに決まってるやないか。」

「マサの事件には子供の頃から、何回も付き合うて来たけどな、あんた以外の人から聞いた事件には、確かに大きな出来事も在った。けど、あんたの口から聞いた話で『事件』やと思えたのは…百万歩譲って、タコ焼きの値上げだけやった。」「ほんで…どんな事件なんや? 言うてみ?」


「いや…一回出直してくるわ…」

「ちょっと待ち…おもろそうやないか?」

「よう考えてみたら、たいした事件でも無さそうや…ほな。」

「アホっ!『ほな』や在るかい。言いたくてウズウズして来たんやろ?」

「それは、そうやけど…お前の先制攻撃にひるんでしもうたやないか。」

「その雰囲気からして、どうせ食べるモンやろ? タコ焼きと同じで『譲れる歩数』が在るかも知れんやないか。」


「そう云う意味では、百万歩よりは少ないと思うで。天王寺の路地裏に期間限定で、スペシャル焼2枚をカップルで食べ切れたら無料になるお好み焼屋が出来たんや。」

「なるほど、カップルって云う処がミソなんやな?」

「その通りや。先輩に成功した人も居ってなぁ、確かに凄いボリュームらしいんやけど、男が1枚半以上は食べてやらんと、普通の女の人では無理な量らしいんや。」

「ほ~話がだいぶ見えて来たで…」

「ほんでや、特大のミックスモダン焼きを2枚らしいけどな、これを1時間以内に食べたらええと云うんやから、俺とお前にしたら時間無制限と一緒やろ?」

「当然や、1時間で食べられへんモンは2時間掛けても食べられへんわ。」

「なっ…おまけに食べ切れたら、普通サイズやけどミックス焼の無料券までプレゼントと云う事やから…近々、小西先輩も伊藤ちゃんと挑戦しに行くと言うとったわ。」


「ミックス焼の無料券? それを早よ言わんかい…事件やないか。」

「せ、せやろ…良かった~」

「食べる話となると、高木や…大塚も凄かったはずやで。なぁ、カップルとは言うても、付き合うてる必要は無いわなぁ?」

「うん、男と女やったらええと思うで。」

「ええ感じや、『高木チャンス』もあり得るかも分からんな……さっそく連絡したらんとアカンわ。」

「あっほんでな、どうせ行くんやったら、一緒に行かへんかと誘われてるんやけど…」

「小西・伊藤コンビか?」

「うん。」

「なんの問題も無いやんか…今度行く時には一緒に行く事にしとこ。」

「…今度?」

「あんた、今日は昼御飯を食べへんつもりなんか?」

「さすが夕子や…行こか。」




 「ふ~っ、出て来た時はちょっとビビったけど、食べられるモンやなぁ…」

「うん、あれは確かに…普通の人やったら、男3人でも無理やろな。」

「いや、4人でもどうやろか。」

「かも知れへんなぁ…うちも頑張ったけど、久しぶりにあんたの『ハ虫類の食いだめ』には恐れ入ったわ。」


「相手がお前で無かったら絶対に無理や。」

「それこそ、高木が最適なんや…言うとくけど伊藤ちゃんは、うち程は食べられへんはずやけど、小西さん大丈夫か?」

「俺とおんなじ理由で大丈夫やと思う。」

「なんや…おんなじ理由って?」

「残り4分の1になった時、ちょっと箸が止まり掛けたやろ?」

「あ~っ、分かるわ~あそこがポイントやったなぁ。」「正直なところ、美味しかったのは1枚とちょっとくらいやったわ。」


「俺も、全く同じ意見や。」「そこからは気合の勝負やったけど、残り4分の1からは…これを食べんと金を払わんとアカンと云う危機感だけやったわ。」

「1枚…3000円のお好み焼やもんな。」

「それが2枚や…気合も入るやろ?」

「なるほど…それが小西さんと伊藤ちゃんにも当てはまると云う分けや。」

「当てはまるとは思わんか?」

「あの2人やったら絶対に心配いらんわ。」「伊藤ちゃんの負けん気と根性は、小西さんが弱音を吐いてもカバー出来るほど凄いで。」


「それは小西先輩にも同じ事が言えるはずや…ただし、2人が行く時に、お前はもう1回チャレンジする覚悟と勇気は在るんか?」


「………なぁ今、それを聞くんはやめてくれへんかなぁ…腹が減ってる時にもう1回聞いて欲しいわ。」

「それって、遠まわしに嫌がってるんと違うんか?」


「ほな、あんたはど~やねん?」

「…難しい質問やなぁ……」

「アホっ…普通はそうやろ? けど、うちはイケると思うで。何回もは厭やけどな、もう1回は大丈夫な気がして来たわ。」

「さすが夕子や…そうなると俺も大丈夫に決まってるやないか。」

「今…答えが出てしもうたやんか。なんか…ちょっと、自分が怖いわ。」

「言うとくけどな、今日とおんなじだけは食べてくれんと俺もギリギリやからな?」

「まぁ、それも当たり前やろ。せやけど腹が張るのは分かってても……次は1本だけでええから、うちはビールも飲むで。」

「本気で言うてるんか? さっきも言うたやろ…俺もギリギリなんやで?」

「いや、たくさんは無理やけど、1本やったらええ効果が期待できるように思うねん。」

「まぁ、お前が言うんやったら心配はせえへんけどな…俺には考えられへん事や。」

「ん~、ど~なんやろ? あんなモン水だけで食べてるより、ちょこっとビールでも在った方が食が進むんと違うんかなぁ…?」


「ふんふん、そう言われたら………」


「…けど…やっぱり、あんたはやめとき。」

「…俺もそう思う…」


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あと数話で完結ということは、あと数話したらふたりはゴールインするんですか?

よっしゃ!(≧▽≦)b! 

ポール・ブリッツさん有難うございます・・・でも・・・

現時点では…ご想像にお任せ致しますとしか…ご勘弁を!

今しばらくお付き合い下さい。よろしくお願いいたします。

夕子もタダとタダ券という言葉には弱かったのか~(笑)

やっぱ、浪速のねえちゃんやな~(笑)
20年したら浪速のおばちゃんか~(笑)

孝ちゃんのパパ さん…そ~なんですよ。

浪速のねえちゃん の代表とも言える存在のようで・・・でも、浪速のおばちゃんのは成りそうもないかも・・・?
もう少しで完結です。もう少しお付き合いをよろしくお願いいたします。

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