夕子、西成区、花園町在住。 第5話         (お~い、夕子…)

「お~い、夕子。約束どおり来たったど。」

「こらっマサ、うちは別に来て欲し無い。」

「そんな事言わんとぉ。相変わらずやなぁ。」

「はよ上がり。うちは忙しいんや、サッサと終わらせる。」「ちょつと待ちィ。マサ、あんたここに来るまで何してたんや。どーせビー玉かメンコやろ、ドロドロやないか。米屋の横の井戸で足洗うて、ズボンは脱いで上がっといで。」

「ええっ~。タコ・・あっ、夕子のエッチ!」

「お前、2回しばくで。」

「すぐに洗ってまいります~っと。」

 「マサ、こんなんも判らんのかいな、ほんまに、しゃあない奴っちゃなぁ。」「だいたいやな、あんたいつまであのお祖父ちゃんに作ってもろたって云う、コマ付のおもちゃ入れ引っ張って歩いてるつもりや。」

「あれは、命の次、3番目か4番目に大事な箱なんや。」「幼稚園の頃から、となり町へ出張しては勝負に勝って集めた戦利品の数々で・・・」

「何が戦利品や。ビー玉とメンコやないか。」

「一番の自慢はベーゴマやで・・・」

「ベーゴマもいっしょや。マサが負けた時はいつも、うちが取り返してやったやないか。」「オマケに、となり町へ出張ってなんや。あんた、小学校に行くまで、南海電車のガード超えた事無かったやないか。あほらしぃ。」
「さぁ、さっさと終わらせるんや。マサみたいなアホに付き合うてられへん。うちは忙しいんや。」

「忙しい、忙しいって、何がそんなに忙しいんや?俺ら小学生で忙しいんは、遊び疲れて帰ってきたのに、ご飯は出来てる、お腹はペコペコ、せやけど銭湯行ってくるまで食べたらあかんって言われた時ぐらいや。」

「こいつの話聞いてたら脳みそ腐りそうや。」

「なぁ、マサ。うちが幼稚園クビになって一人で退屈してる時、一番好きやった遊び覚えてるか?」

「・・・捕まえた猫、きんちゃく袋に入れて、頭出して来たとこで紐絞めて、手も足も出えへん猫のヒゲ切るって、悪魔でも思いつけへんようなあれのことやろ。」

「いちいち癇に障る言い方する奴っちゃな、ええか、しょうもない事ばっかり言うてたらおんなじ目に合すで。」

「お前、ほんまにやりそうやから怖いねん。」

「うちは、やる・・・」「はよ、しぃ!」

「はい。」
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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はじめまして

冴と申します
初コメでお邪魔します

西成ってホントにディープな町ですね
実は、私の従兄弟が以前花園町に住んでたようです
(表現の仕方が変ですね。住所をそこにしていたということです)
私には無縁の場所と思っていましたが
今は、いろんな意味で魅惑ある町です

そこに暮らす人々の人間臭さというかなんというか
生きざまが凄いと思います

好き勝手なことを書きましたが
気に障ったらごめんなさい<(_ _)>

実は今日、初めてゆっくり読ませていただきました
人々の心が上手く伝わってくるし
面白い物語だと思います
大阪弁を活字にするのって
すごく難しいと思うんですが
上手く表現されてますね

まだ、全部は読み終えてないので
また再訪問します(^^)

Re: はじめまして

コメント有難うございます。何年も前に書いたものですが…素直に嬉しいです。仕事に振り回されつつ…次回作の構想に頭を悩まし続けながらも…時間だけが過ぎて行きます…ご縁に感謝しつつも、今後ともよろしくお願いいたします。

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弘と書いてひろむと読みます

Author:弘と書いてひろむと読みます
主人公の夕子と昌幸は作者と同級生と云う設定。          ディープな町、西成区花園町の世界を御堪能下さい。

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