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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第42話


 「おい夕子、聞いてるとは思うけど、3組のカップルが誕生したらしいで。」

「聞いてる。ええ話なんやけど、高木が可哀相でなぁ…なんでやろ?」

「今回は気合が空回りと云うよりは、人の世話を焼き過ぎた感じやなぁ。」

「マサもそう思うか? 3組とも高木のお陰で誕生したようなモンやからなぁ。」「ほんでもあんた、こんな時間にどないしたんや…御飯食べてきたんか?」

「いや、食べてない。」「忙しかってな、帰りが遅くなってしもうたから、着替えだけしてすぐに来たんや。」

「ほんなら、腹ペコなんやな…はい、これでビールを飲みかけとき。」

「うん…なぁ、唐揚げだけはとにかく先にくれへんか?」

「わかってる…せやけど、土手焼きが気にいらんのやったら、お母ちゃんを敵に回す事になるで。」

「あ、アホな事を…そんな分け在るはずが…ねぇ、おばちゃん?」

「もう…いつもの事で分かってるやろ。夕子は、昌幸くんのその反応が面白うて言うてるのに毎度毎度、まぁ見事に反応するもんですなぁ…ほんま子供の頃のまんまやわ。」

「お母ちゃん、在る意味それがマサの取り柄やねん。みんなで大事にしたってや。」

「自分で言うのもなんやけど、素直を売りにして来ましたから…」

「ほんまに自分では言わんとき…アホに聞こえる。」

「…せ、せやけど、この時間にしたら、今日はなんか暇そうやないか? 土曜日や云うのに北村さんや、山本のお兄ちゃんまで居てないやないか?」

「ああ…あんた、ええ時に来たかも知れへんで。あんたが居てたらもめてたんとちゃうやろか? お母ちゃん、どう思う?」

「いえいえ私は、夕子がなんか言いかけたらどないしょうかと思うて…ハラハラしてましたんやで。」

「えっ、なんかモメ事でも在ったんか? 俺はまた、近頃、週休2日制が増えて来た影響でも在るんかと思うてたんやけど。」


「そんな事を言うてはる同業者も居てますけどね、今のところ、この『洋子』には影響在りませんわ。」「実は、場違いで派手な格好の人が居てましたんよ…若い子ですけどね。夕子が言うように、昌幸くんが来る前に帰って良かったかも知れませんなぁ。」

「俺はそんな少々の事では…まぁ人に迷惑でも掛けん限りは黙ってると思うけど。」

「微妙やなぁ…迷惑は掛けてへんけど、北村さんや山本さんも、実は森川のおっちゃんまで来てたのに雰囲気が悪かったんやろなぁ、一杯だけ飲んだら、さっさと帰ってしまいはったんや。」「あんたが居てたら黙ってへんのと違うやろか?」


「う~ん、何とも… 一人やろ? 派手って云うてもどんな格好やったんや?」

「まぁ、格好は俗に云う『ヘビメタ』やな、とにかく頭が凄かったんや…格好はヘビメタで頭は『セキセイインコ』や。」


「セキセイインコ? そらまた凄い例えやけど、想像もつかへんやないか。」

「いや~夕子あんた、うまい事言うやんか。ほんまに『セキセイインコ』やったわ…ぴったりですやん。」

「ほ~っ…それは是非、見てみたかったもんやで。」「けど夕子…それこそお前がよう黙ってたもんやなぁ?」

「アホっ。大人しゅう飲んではるのに、うちは格好だけで、お客さんに文句なんか言わへんわ。」

「そうか、確かにそうやけど…お前も大人になったもんやで。」「それにしても急に一人でなぁ、もちろん初めてのお客さんやろ…そこが不思議な気もするけどな?」

「そうやよなぁ…」「まぁ文句も言わへん替わりに、正直なところ、2度と来ていらんと思うたから、愛想の一つもせんと放っといたしなぁ…もう1回見たいと思うても、もう見られへんと思うで。」

「せやねぇ、自分でも場違いやと思うたはずやし…たまたまお腹が空いた時に、ここが眼に入っだけですやろ。」「せやけど、あんな格好って…頭も、着てるモンにしたかて、どこで見つけて来るんやろか?」

「お母ちゃんには用が無いけど、今はそんな専門店も在るらしいからな…もちろん、うちにも死ぬまで必要の無いシロモンや。」


「お前は生まれ変わってもいらんやろ? 髪の毛を染める事すら無さそうやしなぁ。」

「当たり前や。せっかく日本人に生まれて、日本人に一番似合う黒い髪をしてるのに、なんで染める必要があるねん。」
「染めて似合うてる人を見た事も無いわ。」


「確かにな。そんなお前にしたら、男が染めるなんて考えられへん事やろ?」

「別に、他人がどんな格好をしててもかまへんし、染めてる人に『似合ってませんよ』と云うはずも在らへんけど…うちの周りではちょっと勘弁して欲しいなぁ。」

「お前の周りでは、男女を問わずそんな奴は居て無さそうや…心配いらんわ。」

「そこやな、心配もしてへんけど、自分に似合うてへん格好してたら冗談抜きの『アホ』に見えるからな…それでも本人は似合うと思うてる分けやろ? 実際には、よっぽどの相手で無いと注意は出来へんと思うんや。」


「その点、お前は自分に一番似合うのはジャージやと知ってるからな…偉い!」

「あんた最近は、うちのタイトスカートが気に入ってたんと違うんか?」

「う、うん…それは、断トツなんやけど、あんまり人に見せとう無いんや。」

「はいはい、あんたら二人で勝手にやっときなはれ…どうせ今日は暇なんや。」

「いや~おばちゃんのジーンズ姿には、夕子でも勝てませんわ。」

「ちょっと悔しいけど、ほんまやで。」「それにお母ちゃん、ジーパンを愛用するように成ってからアウトドアにも目覚めたやんか。この前のバーベキューもそうやったし。」

「その通りですわ。めちゃ楽しかったし、また是非…お願いします。なにより、おばちゃんが居らんと話になりませんわ。」


「ほら夕子…昌幸くんのグラスが空いてるやないの、放っとたらあきませんやろ。」

「ほんまに、お母ちゃんのその性格イヤとは違うけど…はいマサ…」

「あの~おばちゃんにお願い出来ますか?」

「もう、なんて可愛い子なんやろ…? はい ……」


 「マサ…あんた、意外と出世するかも知れへんなぁ。」


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非公開コメント

ヘビメタあんちゃんはまた出てくるんですか?

時代背景を考えるとほんとにロックな生き方をしているあんちゃんかと思いますが。

うむむ。

ポール・ブリッツさん・・・らしいけど・・・

ポール・ブリッツさん・・・らしいけど・・・鋭い「ツッコミ」過ぎるやんか・・・見逃さへんなぁ・・・

  次の43話で種明かしですので・・・

何かと展覧会の準備で忙しくて
訪問のほう遅れてどうもすいません

松井大門さん、とんでも御座いません。

ブログ:「心でしかよく見えない」のreikoさんも先生の展覧会を楽しみにして居られるとか…成功を祈念いたします。

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