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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第41話


 「なぁ…ど~にかならんか?」

「ど~にもなりませんなぁ。」

「なんや、お父ちゃん、また小遣いを使い果たして…突撃交渉中かいな?」

「アホっ、今回は違うんや。」「せや、夕子の協力も不可欠なんや、たのむわ~」

「なんで、うちの協力が必要なんや? 話が見えへんやないか?」

「お父さんなぁ、今年は老人会の世話役に当たってますんや。せやから、敬老の日の旅行を決めんとアカンのやけど、その為の下見に付き合えと言うんですわ。」「お店を休む分けにはいかへんと、言うてたところですわ。」

「いや~そこなんや、必ず複数で行くと云う決まりやから、そこは町会長さんと行くんやけどな。向こうは夫婦で来はるんや…俺一人と云う分けには行かんと思わへんか?」

「そんな事を言うてもなぁ…夕子ひとりではとてもやないけど…」

「なぁ、それって、いつの話なんや?」

「まだ決まってないけど、町会長は隠居してはる身やからな、基本、俺の都合でええはずなんや。」

「お母ちゃん、それやったらゴールデンウィーク前の『日・月』にしたらええねん…たまには夫婦で旅行に行っておいでや。」

「お父さんとおんなじ事言うて…日曜日は休みやし、月曜は帰って来てからでも夜の開店には間に合うと言うんですやろ?」

「まぁ、そうやけど…」

「あんたら簡単に言うけどなぁ、私はちっとものんびり出来ませんやんか…それにあんた一人では月曜の昼だけでも大変やで。」

「いや大丈夫や心配いらんで。実はまた後輩らとの飲み会を予定してるんやけど、それを月曜日にして、夜は貸し切りにするんや。」

「ふ~ん、そうは言うても…」

「ええねん。出来る事なら土曜日が良かったんやけど、うち一人でも日曜から準備したら間に合うし、平日の月曜でも2人くらいは手伝える奴も居てるはずや。せやから、お母ちゃんは帰って来ても、店の事は放っといてのんびりしてくれたらかまへんで。」

「うんうん、夕子、有難う。」「なぁ、夕子もこう言うてくれてるんや、息抜きのつもりで付き合うてくれたらええやないか。」

「そらまぁ、貸し切りの飲み会やったら、心配は在りませんけどなぁ…」「無理せんと昼も臨時休業にしたらどうです?」

「うん、西島さんや吉川さんみたいに、毎日来てくれはる人だけの限定営業にするわ。」

「それがよろしいなぁ…あの人らのお昼御飯はうちが無いと困りはるよってね。」

「ええ感じやないか…行く気になってくれたようやなぁ?」

「まぁ、一般のお客さんに迷惑が掛からんのでしたら…仕方おませんなぁ…こんな事でも無いと旅行なんか行けませんしね。」


「うん、行っといで、行っといで…弟も妹もいらんけど行っといで。」

「もう、この子は…ほんまに。」

「なんや、いらんのんか? 俺は気合十分やったのに。」

「あんたまで何を言うてますねん…もう、いややわ~眼がちょっと本気やんか。」

「はいはい、好きにしたらええんやで。」

「そんな事より、夕子、今日は出かける予定とちゃうのんか? 昌幸くんと昨日約束してたように思うんですけど?」

「う~ん、予定ではそうなんやけど、あいつ宿題が終わってないのか、まだ来る気配も電話も無いんや。」

「宿題って…あんたまた無理な事を頼んだんとちゃいますか?」

「いや、そんな大そうな事やないで。だいいち行先も決まってないんやし…せやから、もし車で出掛ける気やったら、うちのお気に入りのアルバムの録音と洗車をしてから迎えに来るように言うただけの事やんか。」

「なるほど、ここに来んと洗車も始まらん分けやからなぁ…洗車が始まったら、お前はおきまりの弁当係と云う事か?」

「一応の予定ではな。早起きが出来へんかったら、無理はせんでもええって言うたから、まだ寝てるかも知れへんわ。」


「いえ、昌幸くん昨日はビール2本で止めとったし、今頃あんたの注文どおり『サミーディビス・Jr』を録音してますわ。」

「いや、今回は『ヘレン・レディ』もなんや。ライブ盤が出たもんやから…1枚にしといたったら良かったなぁ。」

「そら、2枚のアルバムとなったら3時間ほど掛かるやないか、それから洗車しとったら午前中はつぶれてしまうで。」

「ほんまやで、あの子は何でも『うん』とか『よっしゃ』って言うんやから、考えてあげんと…それに、あんたも洗車なんかどうでもええ事なんやろ?」

「それはそうなんやけど、柔道以外は甘やかしたら癖になるタイプやから…」



 「お早うございます。」「おい夕子、録音はばっちりや。今から洗車するからな、もうちょっと待っとけよ。」

「ほら…聞きわけのええ子やろ?」

「まだ9時やないか…昌幸あいつ、6時までには起きたんとちゃうか?」「そうか、そうやったわ。あいつの場合、子供の頃からずっとそう云う奴やった…」「徹夜で夫婦漫才のコンビ名を考えるような奴やからな。」

「そう云うこっちゃ…それこそ、今更みたいに何を言うてるんや。」「よっしゃ…ほな、うちは気合入れて弁当作りといこか。」

「おい、それで何処に行くんや?」

「…マサ~、何処に行く?」

「えっ…何にも考えてへんけど、そっちはお前の担当のはずやろ?」

「なぁ夕子…用意はおにぎりと卵焼きくらいにしといて、洞川あたりでバーベキューなんかどうですやろ?」

「うん…ええ感じやけど?」

「なぁ、お父さん私らも連れて行ってもらいませんか? 帰り道で温泉も入れまっせ。」

「えっ…お、おう、ほんまええ感じやけど、かまへんのんか?」

「めっちゃええやんか…大歓迎やで。」

「ほな、夕子は料理係で買い物は私が担当しますわ。さっそく掛かりましょ。」

「マサ~お父ちゃんが助っ人に行くから、気合入れて洗うんやで~」


「お、俺の役割まで決まってた分けやね?」「お~い昌幸、手伝わしてくれ、大峰山で吊るされたらたまらんからな。」


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