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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第39話


 「なぁマサ、先輩の小西さんから何か聞いてないか?」

「いや別になにも。毎日顔を合わしてる分けでも無いからなぁ…せやけど、もしかしたら伊藤ちゃんの話と違うんか?」

「その通りなんや。なにか知ってるんか…うちが聞いた話では、既に付き合い始めてるらしいんやけど。」

「そうか、小西先輩から直接きいた分けやないから、どこまで信用出来るかは不明やけどな…ええ彼女が出来たと云う噂は聞いてるんや。タイミングから考えても、伊藤ちゃんしか居てないと思うで。」

「やっぱりな、目撃情報まで在るのに、当の本人が完全黙秘をしてるらしいんや。隠す必要なんか何にも無いのにおかしいと思わへんんか?」

「なるほど、陸上女子の情報網では真相解明が出来んかった分けや。それで、男の側やったら隠してるはずも無いやろうと…?」

「せやねん、隠す理由が判らへんわ。」

「お前は誰からその話を聞いたんや?」

「高木……あっ、そうか…」

「やっぱりな。夕子、お前にしたら気づくんが遅すぎるやないか。」

「いやいや、逆にあんたにしたら鋭いやないか。」「そう言えば高木の奴、やたら気合が入っとったからな…伊藤ちゃん、高木に気を使うてたんや。」「後輩やったら尚更よう言わんやろしなぁ…うちが電話でもしたら簡単に分かりそうやけど、いざと成ると聞きにくい気分になるなぁ…」

「せやけど、それを聞いて、高木さんに伝えてやれるんは、お前しか居てへんやろ?」「いっそ、放っといたらどうやねん?」

「そこなんや…どないしても結束力は堅いはずやけどな、こう云う事は、どうせ広まるんやったら早いうちに、しかも一斉に広まった方が次に集まる時に集まりやすいんや。」

「ほぅ…親分は色んなところに気を使わんとアカンのやなぁ。」

「おんなじ親分でも、あんたとではこう云う処が違うんや。」「うちは民主主義やけど、あんたは独裁主義やからな。」

「なぁ、一般常識の真逆を言うのはやめてくれるか。誰かに聞かれた処で、本気にする奴は居てへんと思うけどな。」

「あのなぁ、うちが荒っぽいのはマサにだけなんや。後輩にもほとんど怒った事も無いんやで、それに比べてあんたはどうや、みんなビビって逆らえへんだけやないか。」

「ビビって逆らえへんのはお前の方が上やと思うけどな…確かにちょっとは思い当たるモンも在るわ。」「せやから言うて、俺もなんぼ怒ったとしても殴ったりした事なんか1回も無いんやで…暴力では絶対に人を納得させる事は出来へんからな。人を育てるには、根気と愛情が不可欠なんはお前も知ってる通りやないか。せやのにお前は、俺だけにやとしても…殴る蹴るの悪行三昧やないか。」


「それは、あんたの場合はうちに怒られて喜ぶのを知ってるからやんか…」

「殴られて喜ぶ奴は居てへんやろ。」

「殴られるような事をせんといたらええだけの話やないか。」「それからな、あんたが後輩でも誰でも、殴ったりしてへんのは知ってるけどな『恨みっこ無しや、文句が在るんやったら掛かって来んかい』って…これはどない考えても暴力やろ。」「うちの場合は、こんな事も言うたりはせえへんのや。」

「今はな……」「俺は、子供の頃にお前が口癖のように使うてるのを聞いて覚えたんや。」


「あんたなぁ…こう云うしょうも無い事から順番に忘れるように、何回も言うてきたはずやで…」

「人間、印象に残る事は、中々忘れられへんもんや…お前は、その印象に残る事をし過ぎてきただけの事やないか。」

「子供の頃から頭の片隅には在ったけどな、いよいよ、あんたの存在がうちの人生の妨げに成ってきたように思えてきたわ。」

「あのなぁ、お前の場合、目撃者や犠牲者も星の数ほど居てるからな、俺一人ではどうにもならんと思うで。」

「ほな、あんたは、その中で一番の目撃者やし、犠牲者でも在ると云う事かいな?」

「まぁ、云わば『真実の語り部』やな。」

「アホっ…なにが『真実の語り部』や。しかしなぁ、子供時代の事実関係そのものを消し去る方法を誰か教えて欲しいわ。」


「これも子供の頃に、お前が俺に言うたセリフやけどな…『魔法使いや無いから無理なんや!』…残念やったな。」

「マサあんた、今日は久しぶりに殴られたいと思うてるんと違うやろな?」

「アホな事を…思う分けないやろ。」


「そう云えば最近、減ったなぁ。」

「ほんまや…言われてみれば、その通りや。けど、俺が真面目なだけとちゃうんか。」

「ほぅ~。温泉大作戦についての反省が全く感じられへんなぁ…実行前にバレてほんまに良かったとは思わへんのか?」


「う~っ、アレについては、良かったんか…悪かったんか……」

「バレて悪かった要素が、何か在ると言いたいんか?」「万が一、作戦決行後にバレたとしたら…って云うシナリオを考えた事が無いようやな?」


「先生が作戦本部の解散を急いだ理由が、今やっと分かりました。」「今後は小西先輩と伊藤ちゃんについての情報収集に全力で努めさせて頂きます。」

「今の…その気持ちを忘れたらアカンで。」


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