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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第37話


 「青田先輩、今日も宜しくお願いします。無料で飲み食いが出来ると聞いて…とびっきりのメンバーを揃えて来ました。」

「どこがやねん? この前と一緒やないか…誰か入れ替わってるんか?」

「いえ、元々が精鋭部隊ですので、一人も欠ける事無く、見事に2回続けて同じ面々が揃ったと云う意味です。」

「アホっ…めんどくさい奴っちゃなぁ。」「あんたら、ええ加減に体育会系から脱皮せんとアカンで。準備のために早めに集まってくれたんは感謝するけど、この時間に全員が揃って集まる必要は無いやろ? 高木…あんたの号令か?」

「はい。でも手分けして、伊藤ちゃんとアキには手伝うてもらいました。」

「部活の系列…そのまんまやないか。」

「染みついた習慣ですから…今のところ、誰ひとり嫁に行く予定も無いので、招集には困らないと思います。」

「誰ひとりって…現役の頃みたいにパンダ柄の日焼けも無くなったんやから、ちょっとは色気の在る話は無いんか?」

「先輩に色気の話で説教されるんは、思いっきり抵抗が在るんですけど、まぁ、最近はメッキリ女らしくなったと評判やから…」

「アキちゃんって…あんただけは成人しても全く変わらへん子やなぁ『評判やから…』や無いやろ『評判通り…』や。」

「あのなぁ、おもろいけど…そんなとこまで系列を守らんでもええやろ。」

「いや、こっちは系列や無うて伝統と言うてください。」

「アホっ…アキちゃん、もうええやろ。」

「まぁ、アキと伊藤の漫才コンビは健在やと云う事で…とにかく私らみんな、青田先輩にずっと憧れてきましたんで、先輩より先に嫁に行くような裏切り者は『今のところ』は居て無いと云う事ですわ。」

「…『今のところ』な。今日の相手は、ほとんどが本気で彼女や嫁さん募集中らしいからな、体育会系どうし、ええ相手が見つかるかも分からんで。」

「実はちょっと期待してますねん。この前の柔道部との飲み会は2年連続やったし、楽しかったんですけど、元々知ってる同窓生ですしね。今回は初めての出会いと…年上の人って処に惹かれるものが在るんですわ。」

「なるほどなぁ。せやけど、それは高木…あんただけと違うんか?」

「ち、違いますよ…私以外の全員ですわ。」

「高木さん、ズルいで~アキちゃん…今やったら何を言うてもかめへんで~」

「え~御指名を受けましたので……」

「ちょっと待ってや…なぁ、アキ…」

「はいっ。元キャプテンと云う事は忘れて、押さえときや。」

「なんでいつも、こうなるんや…?」

「え~っ、高木元キャプテンから招集が掛かり、系列に準じて連絡をしましたが、その時の主将命令がこれです…『今回は同窓生とは違い、年上かつ初めての出会いに期待しています。全員、私に協力するように…以上』…なにか反論は?」


「違うやん。みんなの期待を代弁しただけやんか。なっ…みんな、おんなじ事を考えとったやろ?」

「めっそ~もない。」

「あんたら全員、裏切りモンやなぁ…」

「ようするに高木は、うちより先に嫁に行くはずの無い……『今のところ』居てない裏切り者第1号の座をねらっとった訳やな。」

「いやいや、違いますって…そんな大それた事、私が考えると思うんですか?」


「証言その1、『青田先輩の場合、藤川先輩がオリンピックへ出場したら結婚や。私らも、それから相手を探しとったら行き遅れる。今から準備して丁度ええんや』と、ハッキリ聞いたと言う人から…聞きました。」

「証言その2、『ハッキリ聞いた』と、言っている人に言いました。」

「証言その3、今…聞きました。」

「証言その4、下級生一同…右に同じです。」


「もうええ。いつものパターンや…あんたら体育会系は勿論やけど、大阪の人間やもんなぁ…2人寄ったら漫才が始まると云うぐらいや、こんだけ集まったらお笑い劇場になっとるやないか。」

「ノリは私ら関西人の命ですから…これぐらいは、何の仕込みも準備も必要なしですわ。」

「…せやから、もうええ。」「もうちょっとで警官部隊の登場や。ええか、いつもの通り、カウンター全席とこっち半分が陸上部の控室やからな…カウンターに出来上がった料理くらいはスポンサーに運んだってや。」



 「おっ、準備万端やないか…」「さぁ、みなさん入って下さい。陸上部隊は準備が出来てるようですわ。」

  (アホっ…自衛隊とは違うんやで)
「あっ皆さん、お待ちしてました…いつも藤川がお世話になって居ります。」

「いえ、こちらこそ。若女将のお陰で実現出来た待望の飲み会ですから…楽しみにして来ました。」「こちらには、若女将の事を知らん奴は居てませんので、後輩の方々を紹介してもらっていいですか?」

「はい、任せといて下さい。」「でも用心は必要ですよ…とびきりの精鋭部隊ですから。」



 「マサ、大丈夫か? 伊藤ちゃん小西さんに取られてしもうたみたいやな?」

「うん、お陰で大丈夫や。ビールしか飲んで無いからな。」「しかし、お前は特別やとしても、みんな凄いなぁ…なんで、あれだけ飲めるんや? 食べるだけやったら負けへん自信も在るんやけど。」

「あんたは、未だに2本~3本が意識の境目やもんなぁ…ここが限度やって事やで。」

「せやな、これ以上は強くならんと思うわ。」

「それにしても、伊藤ちゃんは小西さんと結構ええ雰囲気やで…気に成るやろ?」

「アホな事を…それに、小西さんやったら、伊藤ちゃんにしても申し分ない相手やで。」

「まぁな、確かに美男美女やし似合いとも言えるわ…それに比べて、高木は苦労してるみたいやで。」

「そうか…俺には、気合いが空回りしてるように見えるけどな……」

「鋭いやないか…あんた、うちらが準備してる時から話を聞いてたんと違うやろな?」


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