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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第36話


 「なぁ、夕子…たのむわ~」

「やかましいわ。アカン言うてるやろ。」

「一回だけでええんや………」

「アホっ! 1回やってしもたら癖になるやないか…アカンもんはアカンねん。」

「そんな事言わんと…ほんまに1回だけやって約束するから、なっ、お願い。」

「お願いされても…あんたの後輩との忘年会が優先やろ? 去年もやってるし、今年もするつもりで連絡してあるのに……」

「いや、せやから、それはそれで俺の後輩らも楽しみにしてる事やしな……」

「せやろ? せやからアカンって言うてるんや。商売とは云え、あの子らから儲けるつもりも無いし、2回も続けて呼べるかいな、タダと云う訳にはいかんのやから。」

「あっ、ほな…タダやったらどうやろ?」

「タダって…ど~するつもりなんや?」


「勝手に決めてもアカンかも知れんけど…たぶん大丈夫や。」「警察仲間の方は年上も多いし、本気で花嫁募集中の人も居てる…女性陸上部隊の料金は男性警官部隊が支払うと云う条件でどうや?」

「ほ~ほ~、それがほんまに可能やったら、あいつらの場合、喜んで来よると思うで。」

「そうか。断言はでけへんけど、100%を超える確率で即決するはずや。」

「言うとくけど、普通の女の子と思うたらアカンで。」「あんたは知ってるやろうけど、飲むのも喰うのも、普通の男以上やからな。」

「だから、ええんやないか。こっちも柔道や剣道やってる奴ばっかりやからな、普通の女の子より、好みも話も合いやすいんや…飲み食いも含めてな。」

「なるほど、ええ感じやないか…あんた、伊藤ちゃんの『お酌』が目当てで必死になってるんとちゃうやろな?」

「そ、そんな事は…ちょとだけしか無い。」


「正直やから、堪忍しといたるわ。」



 「この冬は『粕汁』で勝負ですか?」

「勝負って事も無いけど、寒い冬になるみたいやしなぁ、自慢の粕汁を鍋焼きの器で出すつもりなんや。思いっきり具沢山で、酒も飲める『粕汁鍋』や…おでんより人気者になるかも知れんと思うてるんやで。」

「そうですなぁ…けど、おでんより人気が出たりしたら、今よりもっと仕込みが大変になりますんやで。」

「そうかも知れんけどな…『おでん』と云うたら一品やけど、実は何種類もの具材の集まりやんか。」

「たしかにその通りですけど…普通はメニューが増えると、無駄も増えるって云うのが当たり前なんやで。」

「粕汁とやったら大根やチクワみたいに重なる具材も在るし、おまけに食べる人によっては意外と片寄るやろ?」

「はい、それもその通りですけど。」

「なっ…案外、おでんと粕汁の2種類が在る事で無駄を無くせるように思えるねん。問題は、仕込み量のバランスやねん。」

「たしかに、もっともな話ですけど、そこが一番、肝心で難しいところですやんか?」

「そうなんやけど、そこで役に立つんが、うちとマサとの…後輩や同僚やんか。」

「あんた色々、戦略的な考えを持ってますんやなぁ…感心しますわ。」

「いや、2回も飲み会が続くんは、うちや無うてマサの戦略やねん。」「けど、そうなるとや…大変とは云え、いくら仕込んでも食べ尽くすと云う、あの伝説集団で2回もテストが出来るんや、これを利用せん分けにはいかへんやんか。」


「あの子らほんまに普通や無いで。」「確かに、私の中では伝説的やけど、あの集団でテストしてもテストの結果は使えますんか?」


「大丈夫や。食べる量は無茶苦茶やけど、言い換えたら、なんぼでも食べるんやから、どんどん食べてもろうたら、総体的なバランスも判るし、最初に無くなるんはどれで、次はどれやって分かるやんか。」

「前回は断トツで唐揚げでしたなぁ…2位も和風ハンバーグやし、それは年齢の問題も在るやんか。お店にはいろんな年の人も来はるんやさかいに……」

「そんでええやん。1位と2位は今回もそうやと思うで。でも、こんどのテストはおでんと粕汁のテストなんや。」「食べる量はアテに出来んでも、食べる傾向は30人以上も集まったらアテに出来ると思うんやけど? しかも2回出来るんやで。」


「なるほど、順位の問題とは違いますもんね。傾向が分かったら無駄は減らせますわ。」

「まぁ、やってみる価値は在ると思うで。色々在るようで、冬の居酒屋メニューと言えばおでんしか無いイメージが在るけど、それより人気の一品が出来たら、店としてもええ感じやんか。」

「ほんま、しっかりした女将になってきましたなぁ……」

「後は、色気だけってか?」

「もう、それが決まり文句やったのは…今は昔の話ですわ。」「これからは美人女将で評判の店に成りますわ……きっと……今までも、これからも。」


「はいはい………」


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はじめまして

こんにちは!
「オムライスのある風景」のomunaoです。会話だけの構成って、「人情」が引き立てられるようでとても面白いですね!最初から順に楽しく読ませていただいています!今後ともよろしくお願いします!!

omunaoさん、有難うございます。

とても嬉しいです。

なるべく問題は無いように書いては居りますが、『夕子、西成区、花園町在住』の続編ですので、もしも許されるならそちらから読んで頂けるとより楽しんでは貰えるのですが・・・無理は申しませんので今後とも夕子と昌幸の応援をお願いいたします。

了解しました!

はい、応援させていただきます!
『夕子、西成区、花園町在住』から楽しませていただきますね!

omunaoさん、本当に嬉しいです。

こんな有難いことは在りません。

ブログでは最初から読むのが面倒だと思いますがよろしくお願いいたします。

マサは警察官としてしっかりしてきたし、夕子の店も順風満帆、あと問題があるとすれば……マサの世渡りテクニックでしょうか。親が親で恋人が恋人で師匠が師匠ですから……一抹の不安(汗)

ポール・ブリッツさん、いつも有難うございます。

た、たしかに・・・マサに世渡りテクニックが期待できるだろうか? 私にも疑問ですね。

ん~~でも、マサは今の環境を楽しんでると思いますよ。

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