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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第35話


 「そろそろ冷え込んできたなぁ…おばちゃん、季節の変わり目やけど、今年は風邪なんかひいたらアカンで。」

「もう、ビビらさんといてや。注意はしとっても、一般人は夕子ちゃんや昌幸のようにはいかへんのやで。」

「おばちゃん、一般人とは言われへんかも知れんけどな…マサとうちとでは、風邪をひかへん理由が違うんやで。」

「昌幸は達者で、夕子ちゃんは違う理由やって言うのんか?」

「もう、分かってるくせに…逆に決まってるやんか。うちはほんまの健康体で……」

「ほな、昌幸は…あれかいな?」

「他にないやんか……もう、厭やわ~『昔の人は、間違うた事を言わへん』って言うやろ? マサが風邪ひくはず無いやんか。」

「もう、ほんまにこの子は…生んだ母親の目の前で何を言うんや。分かってても、素直に認められへん事も在るやないの。」

「えっ、『親の顔が見てみたいわ』と、ずっと思うてたんやけど、こんな近くに居てたとは知らんかったやんか。」

「言うとくけどなぁ、昌幸の場合は、ほとんどがお父さんの遺伝子で構成されてるから…顔が見たいんやったら、奥でテレビ見てるおっちゃんを見て行かんとアカンで。」

「え~っ、マサが母親似って事はこの界隈では常識やで~~」

「おい夕子、俺には先生と勝手に漫才を始めたら怒るくせに、お前はなんやねん…放っといたら終わる気配も無いやないか。」

「なんやマサ、聞いてたんか?」

「当たり前やないか…聞こえるように喋っといて、今更何を言うてるねん。」「だいたいお前は何をしに来たんや?」

「マサこそ、何を言うてるんや…おばちゃんと漫才しに来たに決まってるやろ。」

「おい、お前…俺を起こしに来たんとは違うんか?」

「アホっ…見事に起きて来たやないか。」「まぁ、その様子やと二日酔いの心配は無さそうやな?」

「当然やろ…今日の事を考えて昨日は2本しか飲まへんかったんや。」

「よっしゃ。ほな、うちは店で弁当作ったるから、マサは車を洗うて待っとくんやで。」

「えっ、そう云う予定になってるんか?」

「そうでもしとかんと、弁当が出来るまで、またお父ちゃんとしょうも無い相談か漫才になってまうやないか。」「玄関先…整骨院の看板の下に洗車セットを用意してあるから、しっかり作業に励むんやで。」

「わかった…ほんで今日こそ、ちゃんと枝に付いてる紅葉を見に行くつもりなんやな?」

「その通りや。」「あっ…それから、猫が居てるか確かめて、居てたら気を付けて洗車するんやで。」

「結局、居付いてしもうたなぁ…可愛らしいし、放っとかれへんかったんやろ?」

「親にはぐれたんか、まだほんの子猫やったからなぁ…ダシをとった『イリコ』をあげたら、なついてしもうたんや。」

「もはや完全に夕子の飼い猫やな…名前、付けたんか?」

「つけたで…『アルフォンヌ・スタインベック・シュッツトガルト3世』や、首に迷子ふだ代わりのプレートまでぶら下がってるから確かめといてや。」

「ちょっと待ってくれ。猫の首に…鈴や無うてプレートやな? そこまではええ、名前はなんやて?」

「もう、やっぱり聞いてへんかったんか?『アルフォンヌ・スタインベック・シュッツトガルト3世』や…忘れた時にはプレートで確認するんやで。」

「い、いや、聞いてたけど覚えられへんかっただけや。けど最後は聞こえた…なんで『3世』やねん?」


「雰囲気や。」

「…わ、わかった、ええ名前や。けど、呼ぶのが大変そうやなぁ?」

「全然…『アル~』で、飛んで来るで。」

「…『アル』…やな?」「…ほんなら、ボチボチ洗車班は任務に向けて出発するわ。」



 「おう昌幸、朝から洗車係か?」

「あっ、お早うございます。終わらせてから挨拶にと思うてたんですわ。」

「なるほど、夕子は弁当の担当か…その間に終わらせんと怒られる訳や。」

「その通りですわ。洗車セットまで用意済みでしたからね…とにかく、まずは終わらせんと。」「それより先生、禁煙はもう大丈夫なんですか? 小遣いをもろたんやから、もう後戻りは許されませんよ。」

「判ってる…大丈夫や。」「峠は越えたと思うで、夢に出て来る回数が減ってきたからな。」

「へぇ~夢にまで見るような辛さと云う事ですか?」

「そら、25年以上も吸うてきた分けやからなぁ…お前に言うた通り、一度覚えたらやめるんは大変なんや。」

「いや、ほんまに先生のお陰で…手を出さんで正解でしたわ。」

「せやな。後は…麻雀は付き合いも在るからやめられへんけど、パチンコはあれ以来行って無いんや。煙草を思い出すからな。」

「なんや、ええ流れですやんか。」

「そうや、物は考えようでな。お前こそ、ど~なんや? あれ以来…相変わらずか?」

「はい…あの無修正もすんなり返してくれましたからねぇ……」

「そうそう、結局そう云うとこは理解あるタイプなんや…洋子も夕子もな。」

「…『必要なんやろ?このスケベ』の一言が無かったら、もっとええんやけど……」

「お前の苦悩は分かるんやけど、こればっかりはなぁ…まさか、父親の俺が『ええ加減にやらしたれ』とは言われへんやろ?」

「はい…せやから必要なんですわ………」


 「あんたらの行動は予想通りやったけど、洗車が終わってる処を見ると…お父ちゃんの方が出て来て始まった漫才みたいやな。」

「…ふ~っ、急に出て来るその癖、なんとかならんか………」

「あんたらのリアクションがおもろい間は無理やな……さぁ、出かけるで。」

「あ…うん、よっしゃ…行こか。」「今日こそは、綺麗な紅葉が期待できるはずやで。」

「当たり前や。夏休みのアサガオや在るまいし、2年続けて失敗したんや…3年目も失敗したら、あんたと一緒になってまうやろ。」

「…お前の場合、俺が忘れたいと思てる順番通りに覚えてるみたいやな?」

「ええか、古い話はポイントを押さえとったらええんや。けど、新しい話は別やで…最後にお父ちゃんに言うてた『せやから必要…』なモンってなにや?」


「・・・・・・」


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昌幸……(涙)。

どこまでも幸せなやつめ(笑)。

ポール・ブリッツさん、ほんとに幸せ者なんですよ・・・

この後猫のアルにもモテモテで・・・マサのモテ期がやってきた?・・・かも・・・

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恵麻 恵斗 さん 貴重なご意見有難うございます。

> ぶしつけで恐れ入ります。 お話が全て会話で構成されていますので、「 の前に話している人の名前を入れると、台本のようで読みやすくなると思うのですが、如何でしょう?  このように思うのは私だけかもしれませんが、とりあえすお知らせさせて頂きました。 これからもがんばってください!


おっしゃる通り「 の前に名前を入れると台本のようになってしまうので・・・やっていないのですよ。

情景や状況の説明文で標準語が混ざるのも嫌で会話だけにこだわっているのですが、誰の台詞かがより分かり易くなるよう腕を磨きたいと思います。

出来れば辛抱しながら読んで頂ければ有難いです。今後ともよろしくお願いいたします。

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