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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第31話


 「なんや昌幸、誘いに来たんか?」

「いえ…ちょっと先生の顔を見に寄ったんですけど、先生が行くんやったら、なんぼでも付き合いますよ。」

「お前、飯は食べて来たんか? 俺はちょうど食べ終わったところなんや。」

「はい、食べてはきたんですけど、ちょっと物足らん気がして……」

「なるほど…よっしゃ付き合うたるわ。」

「先生、ちょっと見せたい物が在るんですけど、ここで………」

「ふ~ん……そう云う事か…」「何か持ってるとは思うてたんや。店に行く前でないとマズイんやな?」

「はい、ものごっついマズイです…実は、これですわ。」


「お、おい…これは………」


「先生、振り向かんでも、今は大丈夫ですやんか……店は営業中なんやから。」

「せ、せやな。」「しかし、これは…うわぁ~アカンやん。完全にアウトやないか…お前、これどないしたんや?」

「新婚旅行でハワイに行ってきた先輩の土産ですわ。」

「なるほど、それで完全無修正か。」「上手い事隠せた訳やな…けど、ドキドキやろ? ちょっと待てよ…お前の先輩って事は?」

「はい、その通りですけど、なんか話によると、堂々とさえしとったら、初めての海外旅行…ましてや新婚旅行となると形式だけで、ほとんど調べられへんらしいですわ。」

「ふ~ん、そんなモンなんか…まぁ、これぐらいの事、たまには警察官と云う事を忘れてもええやろ…大きな声では言えんけどな。」

「はい、此処だけの話、婦警さん以外は、みんな同じ事言うてましたわ。」

「そらそうやろ、だいたい商売にする奴が居てるから悪いんや。個人で楽しむ分には何て事無い話なんや。」「そう言えば、押収物を見るんを楽しみにしてる奴もおったわ。」


「先生、それこそ此処だけの話に………」


「…せ、せやな。とにかく、今はこれをど~するかって事が大問題や。お前、どこに隠しても夕子に見つかるから、俺のところへ持って来たんやろ?」

「それはその通りですけど、ええ隠し場所が在ったとして、先生に内緒にしてても良かったんですか?」

「…で……でかした。さすが昌幸、褒めてつかわす。」

「はっ、有難き幸せ…って、早よ隠すところを考えて、飲みに行きましょうや。」

「う~ん、実際のところそれが問題やで。夕子に見つかってから、なんか雲行きも悪いし居心地も悪いんや……」

「先生、言うときますけど、見つかるんやったら、おばちゃんですよ。夕子にだけは絶対に見つからん処に隠して下さいよ。」

「ほんで、もし見つかった時には、一人で罪をかぶれと云う事かいな。」

「この雑誌と引き換えの、どないしても譲られへん条件ですわ…頼みますよ。」

「頼まれてもなぁ…この前は、碁盤の箱に隠してたんを夕子が踏み台に使いよって見つかったんやで。」

「そんなん、碁盤が押し入れの奥やったらええけど、すぐそこに見えてますやん。相手は夕子やのに踏み台にしてくれと言うてるようなモンですやんか。」

「アホっ、お前にそんな事言われたないわ。お前こそ引き出しの奥とか、旅行カバンの中とか、ベッドの下とかで、いかにも見つけて下さいって場所やないか? お前こそしっかりせんかい。」
 
「しっかりしたいんですけど、俺の部屋で隠せる場所と云えば、ごく限られてますから、どこに隠しても、ちょっと手の込んだ掃除をされたら一巻の終わりなんですわ。」

「そうやなぁ、洋子も夕子もこんなモン探し回るタイプとは違うんやけど、ちょっとしたタイミングで見つかってしまうんや。」

「先生、以前見つかった月2回の雑誌は今、どこに隠してあるんですか?」

「アレは押し入れの……せや、あそこや。ちょっと待っとけよ……」



 「よっしゃ、これで安心や…しっかりと預かったで。」「さぁ、祝杯をあげに行こか。」

「待ってましたと言いたいんですけど、ほんまに大丈夫でしょうね? 今回は物が物だけに、絶対にお願いしますよ。」

「まかさんかい。ちょっと見るには不便な場所やけど、それだけ見つかる心配も無いと云う事やないか。」



 「よし、まずは乾杯や…昌幸、有難う。」

「なぁマサ、こんな中途半端な時間に、しかもお父ちゃんと来るって事は…何をしとったんや? 今やったら大目に見られる事でも、後になれば成るほど……覚悟は出来てるんやろな?」

「な…なにを言うんや、ちょっと先生に用が在っただけなんやけど、話をしてる内に、軽く一杯…となったんやないか。」

「あんたはいつも軽く一杯やんか。けど、ええわ。今回はうちには関係無さそうや。」

「えっ、なんで、そう思うんや?」

「マサがお父ちゃんに用が在ったんやろ? ほんで、入って来ていきなり乾杯や…『昌幸有難う』をうちが聞き逃すはず無いやんか…お母ちゃん、お父ちゃんがマサから何かええモンもろたみたいやで。」

「あら、昌幸くん有難う。帰ってから私も見せてもらいますわ。」

「…いや~そんなこと………」

「昌幸! お前は黙っとたらええんや。」「ここは帰るまでに策を考えて、俺がなんとか切り抜ける…子供の頃からお前の自爆には泣かされてきたんや、今日は絶対にアカン。」

「あんたら二人のヒソヒソ話で、内容まで想像がつくわ。」


「…先生~~~」

「お前も現役の警察官やろ…状況証拠と動機は思いっきり在っても、物証が見つかれへんかったらええんや。心配いらん。」

「……はい、命あずけます。」


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こういうものを見つけるときの女は、みんな凄腕の安楽椅子探偵になるからなあ……気の毒だなあ……(^^;)

ポール・ブリッツさん、いつも有難うございます。

そ~なんですよね・・・必ず見つかるんですよね・・・

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