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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇)  第29話

 「いや~凄いやろとは思うてたけど、ビックリしたなぁ……あいつら人間に見えるけど、違う生き物やないやろか…?」

「私は、夕子以上に驚いてますわ……あんたと昌幸くんだけでも凄いと思うてましたから…。」                        「それが、あんたが15人…昌幸くんが20人集まったら…ああ成るんですなぁ……。」

「まぁ、あんだけ盛り上がって、みんな喜んで帰ってくれたから…大成功や。」                                  「大変やけど、これから年に1回いや…2回は在りそうやから、次はもうちょっと余裕をもって…仕込みをせんとアカンわ。」

「常連さんだけの飲み会は、何回もしてきましたけど…グループや団体の貸し切りは、初めての事でしたからなぁ……。」       「…いよいよ……夕子との世代交代が…加速して来たように思えますわ。」

「お母ちゃん、そんな言い方したら…寂しい聞こえるやんか。」                                               「まだまだ、お客さんの数では…お母ちゃんのお客さんの方が…圧倒的に多いんやから……。」

「全体数からみたら…そうかも知れませんけどなぁ、とにかく昨日の迫力は凄かったですわ。」                        「それにしても、あんたが言うてたように……お酒は断然…女子チームの圧勝みたいやね…。」

「ほんまや。マサほど弱いのも珍しいけど、ほとんどが…付き合い程度しか飲まれへん男ばっかりや…。」                   「あれぐらいやったら…うち一人でも飲めそうやわ。」

「あんたは特別や…普通の人と比べたらあきませんわ… ほとんど…特異体質そのものやないですか…。」                「もしかしたら、ホンマに【突然変異】は起きてたんかも知れませんなぁ…。」

「お母ちゃん、そんな事は無いと思うで……うち判ったんや…お母ちゃんって…自分を過小評価するクセがあるやろ…?」       「毎日見てて思うんやけど、お母ちゃんの酒の強さは…うちどころか…絶対それ以上やとしか思われへん…。」

「何を言うてるの…あんたとは違うて、一升瓶を空にしたら…とてもシラフでは……ちょっとくらいは酔うてしまいますわ…。」

 「ちょっとやろ…? 2本飲んだら…?」

 「そんなに飲む事は少ないですけど、ギリギリ…真っすぐ歩けるかどうかの…限界とちゃいますやろか…?」

「ほら…なっ。 飲む事も在るし…飲んだとしても真っすぐ歩けると云う事やろ…?」「3本いった事も在るんと違うのん…?」

 「いや、流石にそんな覚えは在りませんけど……もしかしたら…その辺が記憶の限界なんかも知れませんわ…。」

 「なぁ、それって…飲んだ事は在るかも知れへんけど、記憶には残って無いって…云う意味なんか…?」

「せやから、記憶に無いって言うてますやないの…記憶に無いんやから、答える事も出来へんに…決まってますやんか…。」     「そう言う夕子…あんたはどうなんや…? 記憶がないほど飲んだ事は…これまでに無いんですか…?」

「まだ、キャリアが1年ちょっとやから…なんとも言えんけども……。」                                       「今のところは、記憶を無くすどころか…気分が【ハイ】には成っても…『これは酔うたな…』と…思うた事も無いわ。」

「ほれ、みなはれ。 あんたは昨日の飲み会にしても、何でもござれのチャンポンで……日本酒に換算したとすると…やねぇ……」   「…それこそ…2升以上は、間違いなく飲んでるはずやと思いますよ。」                                    「親が酒飲みやから、突然変異とは言えないかも知れませんけど……間違い無く…特異体質ですわ。」

 「うちが特異体質やとしたら、お母ちゃんも間違いなく……特異体質や…あえて言えば…【真・特異体質】と違うやろか…。」

「そんなはずは在りません。 私は、至って普通の……平均より、ちょっと強い程度やと思うてますんやで…?」            「夕子と一緒にされたら、ええ迷惑ですわ……夕子こそ、あえて言えば…【特異体質・改】と違いますのんか…?…。」

「なぁ、お母ちゃん…今のは中々面白かったけど、中身は意味不明や……。」                          「それはもう、過小評価とか控えめとか言うレベルや無うて……逆に厚かましいと云うか…勘違いも甚だしいで。」

「もう、分からん子やなぁ… あんたは…私一人で生んだんと違うんやで。」                                   「あんたが、お父さんの遺伝子にかたよってるって事は…ダーウィンやメンデルが証明してるやんか。」

「ふ~っ…これまた、まったく意味不明やけど…母と娘でも漫才が出来そうな事だけは…はっきりしたわ…。」              「でも、お父ちゃんの場合…うちとお母ちゃんの足元にも及ばへんと云う事は…大岡越前でもひっくり返されへん…事実やで。」

「……さぁ、日曜日やと云うのに、わざわざ片づけモンに出て来ましたんや…漫才はこの辺にして…早よ終わらせましょか…。」

「…せやな……まぁええわ……。」                                                           「ほんまに早よ片づけんと…買い物に行って、仕込みに掛からん事には…明日の開店に間に合わへん。」

  「ほんまに…根こそぎ食べ尽くしたって感じやもんね……残ってる食材は…調味料だけですわ。」

 「とにかくお母ちゃんは…ずっと何か作ってたもんなぁ……有難かったけど、大変やったやろ…?」

  「それは…まぁ、仕事やさかい……けど、あんたは相手もしながら、料理も作って……」

  「うちかて、それが仕事やんか…?」

 「最後まで聞かんかいな……それで、あれだけ飲めるんが…凄いと言うてるんやないの。」

  「凄い…かもなぁ……食べるんも…せんど食べたし…。」

 「ほんま怖いわ。 あんた…それで今日、当たり前のように…何とも無いんやろ…?」

  「喉が渇いたんと、トイレに行くんで…普段より早起きしたぐらいや。」

「昌幸くんは、心配ないんやろか…? あの子にしたら、たいがい頑張っとったで…。」                              「あんたが、面白がって後輩の子にけしかけるもんやから…調子に乗ってしもうたんですやろ…?」                       「あの子の下戸も、在る意味で特異体質なんやから…ええ加減にしといてあげんと……。」

「あいつ、伊藤ちゃんのお酌で…脳みそに落雷したらしいんや。」                                         「ビールだけでも大変やのに、熱燗を3杯ほど飲んだと言うとったわ……お猪口でやけど……3杯……。」                「あいつにしたら、決死の覚悟や…その後、最後まで焦点が合わんかったと…伊藤ちゃんが責任感じて…心配してたわ。」

  「お猪口とはいえ、3杯は……ちょっと、あの子には危険過ぎますわ…あんたは心配な事あらへんのか…?」

  「朝一番に覗いてみたけど、息はしとった……命には別条なさそうや…。」

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コメント

升で量って漏斗(じょうご)で飲んで……大阪の女は化け物ですかうわばみですか(^^;)

私のお袋も凄かったですよ。

お袋も1升酒は平気でした…体を壊すことなく80歳で天寿を全うしましたが、大阪の女では無くて…小田原出身でしたけどね。

でも確かに女性の方が強いんだと思いますよ。

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鍵コメでしたが有難うございました。

とても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。
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