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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第28話


 「お母ちゃん、年末か年始かは決まってないんやけど、うちとマサの後輩で店を貸し切る事って出来るやろか?」

「それは構いませんけど、日曜日とは違いますのんか?」

「せやねん。やっぱり、みんな土曜日が都合ええみたいなんや。具合悪いやろか?」

「今までは無かった事ですけど、常連さんには前もってお知らせ出来るんやから、構いませんで。これからは夕子の時代やって…いつも言うてる通りですから。」

「ほんま、有難う。みんな喜ぶわ。」

「それで、何人ぐらいの集まりに成るんですやろ?」

「せやなぁ、30人以上には成ると思うで。」

「それは大変ですやんか。席は無理やりでもなんとか成るかもしれませんけど…料理が用意出来ますやろか? 私には想像もつきませんわ。あんたが段取りせんとあきませんで。」

「うん、人数が決まったら計算してみる。」

「男女の差は在っても、全員が体育会系の集まりですやろ? おそらく家の鍋なんかも使わんと間に合わんと思いますわ。」

「そうかもなぁ…男女は半々くらいに成ると思うけど、とにかくメニューも全部、まかせといて。」

「それは、任せるしか在りませんけど、早いうちから段取りを考えといた方がよろしいやろね。前日や次の日の営業まで影響するんやないかと私は思いますわ。」

「そうか、さすがお母ちゃんや。当日だけや無うて、前日や次の日まで考えるんや…仕込みが間に合わんでも困るしなぁ。」

「仕込みだけやあらへんで。何を考えてるんかは知りませんけど、食材かて用意出来る物は用意しとかんと、その日になって慌てても遅いし、さっきも言うたように、鍋や器まで頭に入れとくんやで。」

「うん、わかった…それから、もしも忙しいて、手が足らんとなった時には、うちの後輩を呼んで手伝わせるわ。」

「あんた、自分の事を思い出しみなはれ。夕子の後輩やで…臨床実験が必要なんばっかりとちゃうんかいな?」

「絶対にそうやな…せや、タイミングによるけど、マサのおばちゃんに頼んでみるわ。」

「最高の助っ人ですわ。それでも間に合わん時には、お義母さんも控えてはる…夕子、人手には心配いりませんわ。」

「それだけ揃うたら心強いけど、お婆ちゃんの場合は年始で無いと…年末は製麺所の手伝いを休む分けにはいかへんしなぁ。」

「そんなん、ほんまの年末だけの話ですやんか。前もって頼んだら大丈夫ですわ。」

「そうか、せやなぁ…今日、マサが来るはずやから、あいつに後輩の段取りを早ようまとめるように言うてみるわ。うちは、高木か伊藤ちゃんにまとめさせる。」



 「マサあんた、お父ちゃんまで誘うて来たんはかまへんけど、飲み過ぎて忘れたらアカンで。明日のうちに、ちゃんと後輩の予定をまとめときや。」

「心配せんでもええ。今の俺はなぁ、ビール2本までやったら、酒より記憶の方が残る量が多いんや。」

「おいおい、偉そうに言う内容や無いけど、昌幸お前、3本までは飲めるように成ったと言うとったやないか?」

「先生ちゃいますねん。どう言うたらええのんか、3本飲めるんですけど…その場合、記憶は残らんで酒だけが残るんですわ。」

「………2本までにしとけ。」

「ほんでも、許容量が1本から2本で、限界量は3本になったんですよ…成長率で言うたら、200~300%ですやんか。」

「おおっ、それは凄いやないか。さすが昌幸やな…でかしたぞ。」

「有難うございます。先生、頑張った甲斐が在りました。」

「はい、そこまで……勝手に漫才を始めたらアカンって、いつも言うてるやろ。」

「おい、究極の下戸やと言われた俺がここまで成長したんやど、お前も一言ぐらい…」

「あのなぁ、酒は残らんと、記憶だけが残るのは…結局ビール1本までなんやろ? どこに成長があるねん?」

「……そ、それは…物は云いようやないか。」「強くは成ったけど、飲める量は増えてへんと云うか……」

「物は云いようか…もうええ、エロ本コレクションも数は増えてへんようやし…なっ…」

「ちょっと待て…お、お前………」

「3回も場所を変えたけど無駄やったなぁ。」

「お前、いつもチェックしてるんか?」

「数は増えてへんけど、新しいのと古いのを入れ替えてるんまで判ってる。」「決まって、月末と月の初めやけどな。」

「…う、うそやろ………」

「あれ以来、あんたの部屋の掃除や洗濯物の整理なんかはうちが担当してるんや。あんなモン、母親に見つかる方が恥ずかしいやろ? うちの愛情やと思うて感謝するんやで。」

「…これはなんの言い訳も出来へんなぁ。夕子もそのへんにしといたれ。どうや…3本目のやけ酒、手伝うたろか?」

「あの、楽しそうなところ悪いんやけどな、新しいのと入れ替えた、古いヤツの行方やけど…お父ちゃんの部屋で見つかったで。」

「なぁ、夕子………」「な、なんで…ここで言うの?」「こそっと…言うて…」

「…先生、残念ながら俺の場合…朝まで付き合うたりは出来ませんからね。」

「…とりあえず、3本目を………」

「昌幸くん、無理したらアカンで…そのへんでやめときや。」

「…はい。これを食べたら帰ります。」


 「・・・・・・」

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