FC2ブログ

制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇)  第21話

   「うん、ぴったりや。 思うた通り…よう似合うてるやんか。」

  「そうか…そうやなぁ……確かにサイズは、ぴったりやと思うけど…ええんかなぁ…?」

「お父ちゃん自身が、ええと言うてるんやから…かまへんに決まってるやんか。」                                「それに、若い時のスーツなんか、二度と着られへんのやし…このまま貰っといたらええねん。」

  「いや、それはなんぼなんでも……借りるだけやったら…まだしも……。」

 「ええねんって…ほら、こっちも着てみ…?」「ふんふん…こっちもええやん。 よっしゃ…2着ゲットや…良かったな。」

   「お前、簡単に言うけど………。」

 「かまへんって…!なぁ、お父ちゃん…2着貰うで~~聞こえた~?」

  「聞こえたで~~サイズが合うんやったら…持って行け~。」

  「なっ!気にせんでもええって。」

 「先生は仕事中やのに……見るぐらい、見てもらってからでないと…具合が悪いんとちゃうんかなぁ…?」

   「はい、行くで~~。」

  「お前はええかも知れんけど、俺にも親が居てるんやし…気も使いよるんやど……。」

「あのなぁ…心配せんでも、『勝手な事して失礼やけど、無駄にせんためにも了解して下さいね。』と、前もってやなぁ…。」      「ちゃんと…おばちゃんには、話をして在るんや… せやからあんたは、いらん心配を…せんでもええんや。」

   「え~っ、お前…そんなんいつの間に…?」

  「いつの間に…?あんたの家なんか、毎日行ってるのに…今頃なに言うてるんや。」

   「お前、俺が居て無い時でも………?…。」

   「マサかて、うちが居らんでも来るやんか。」

   「それは…先生が居てるからやないか。」

「うちかて、おばちゃんとは友達なんや。それに今の話なんか…この前の日曜日の事なんやで…?」                   「あんたは仕事やったけど…おっちゃんも居てはったんや。」「うちは、うちの家とマサの家の…2軒分の料理を作ってやで…。」  「それを、マサの家まで持って行って…3人で食べたんや…なんにも知らんかったんか…?」

   「…うん…まったく知らんかった…。」

  「…まぁ、マサは知ってて当たり前と…思われてるんかも判らんけどな。」

 「…うん、それはそうかも知れへん。せやけど親父は…駐車場の時もそうやったけど…気を使いよるはずやで…?」

「うん… おっちゃんは、マサと同じように気を使うてはった…けど『あんたの服はどないしても昌幸は着らへんやろ…?先生と夕子ちゃんが、こう言うてくれてるんや…あんたはいらん心配せんとき。』って、おばちゃんに説得されて…後はいつもの通りや。」

  「…黙って…うなづいとったんやな…。」

「せや…とにかく、これで先輩の結婚式は…なんの問題も無くなったやんか。」                                  「後は小物やけど、これは…うちが揃えたるわ…マサの財布で…。」

  「お前、そんなんばっかりやないか……せやけど…小物ってなんやねん…?」

「小物って言い方が悪かったかもなぁ… カッターシャツはやっぱり…自前のが必要やろ…?」                          「それから…ネクタイやタイピンなんかも…気に入ったやつが在ってもええやんか…?」

  「ネクタイはともかくも、タイピンこそ…借りてもええんとちゃうんか…?」

「マサのおっちゃんの事は、詳しくは知らんけどな…お父ちゃんの場合は、タイピンとか…そう云う類のモンは全部……。」    「…阪神タイガースバージョンなんや… 嫌いや無いけど…やめといて。」

「そ、そうなんか…確かに、タイガースの話はようしてはるけども……。」                                       「俺が、あんまり興味が無いもんやから…けど、そこまでマニアックやったんか…?」

「あのなぁ、優勝が掛かってる試合で、センターの池田が落球しただけで…池田って云う名前を…嫌いになるおっさんやで。」

  「…わ、わかった…覚えとくわ…。」

 「よっしゃ…今日のうちに揃えてしまうで。昼からは…買い物や。」

 「昼からやな…?ほんで、今日の昼御飯は…何を食べさせてくれるんや…?」

「あんた、うちの話…ちゃんと聞いてるか…?先週は、マサの家族の面倒まで見たんやで…。」                             「あんたが居て無かったんは…仕事やから仕方ないやろ…?」                                            「今日は休みが合うたんや…うちは贅沢を言う女とは違う……お好み焼で辛抱しといたるやん……この幸せ者!」

 「世間一般の幸せって、どんなモンなんやろ…? 解らんようになったきたわ…。」

  「不幸やと思うてるんか…?」

 「いや、そんな事…ぜんぜん思うてへん。」

  「それを…幸せって言うんや!」

スポンサーサイト



コメント

非公開コメント