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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇) 第19話


 「記念すべき二十歳の誕生日は休みを取る事にしたからな。」

「アホか。なに乙女チックな事を言うてるんや。」

「いやいや、俺もそんな考え方は持ち合わせて無いんやけどな……そうしといたら安心して飲めるやないか。」

「それがアホやって言うてるんや。あんた、昼間から飲むつもりなんか?」

「そんな分け無いやないか。ええか、お前が飲まれへんのは仕方ないから、先生が付き合うてくれる約束まで出来てるんやで。」

「せやから、お父ちゃんかて仕事が終わってからやんか。あんたも帰って来てからでええのとちゃうんか…なんの為に休むんや?」


「……そうか。」

「気が付くのが遅過ぎるわ。ほんまにアホな奴っちゃなぁ……」

「いや…けど心配はいらん。」「勤務の都合上、連休になったんや…休みを取る必要は無かったって事か……」

「ふ~ん……それやったら、まぁええやないか。」「あんたは普段から休むような事も無いんやし、二日酔いを予定して休むより、二十歳の誕生日の方が休みやすいやろ…たまにはのんびりしたら?」

「う、うん…せやなぁ……そうするけど稽古は2日も休まんで済みそうやなぁ……」

「もう……ほんま、アホなんか…真面目なんか…ややこしい奴っちゃで。」

「まぁ酒とは初対戦やからな。俺には強敵なんかどうなんか……とにかくこれで安心して飲めるわ。」

「せやな、うちも早よ飲みたいわ。」「小さい頃から酒飲みとは付き合うてきたけど、無茶苦茶美味しそうに飲みはるんや。時たま、難儀な人も居てるけど、お酒が人を楽しくさせるんは間違いないわ。」

「うん、俺もそう思う。」「けどまぁ、家では飲まへん親父が、忘年会とかで飲み過ぎて、しんどそうなんを見てるから、ああは成らんように気を付けるわ。」

「相手がお父ちゃんだけに、乗せられたら終わりや…あんたの場合、気を付けても無駄かも知れんで。」



 「誕生日は誕生日でも、二十歳の誕生日やからなぁ、ほんま、めでたい事やで。」

「よっしゃ。記念すべき最初の一杯はうちが注いだるわ。はいマサ……おめでとう。」「お父ちゃんも…はい…」


「………ふ~っ…」

「マサ、どうや……?」

「なんとも、想像してた味ともちょっと違うし。人の話を聞いてたら、もっと苦いんかと思うてたけど…『これがビールか』としか言いようが無いわ。」

「うん、まぁそうやろなぁ。俺も最初はそう思うたような気がするわ。」「ほんでも…これがクソ暑い夏になる頃には、こんな旨いもんは無いと思うようになってるはずや。」「おい夕子、あの唐揚げを頼むわ。いまや大好物になってしもたんや。」「昌幸も好きなモンを遠慮せんと食べるんやど。お前が酒を飲んで金を払うんは、明日からや。気にせんと、じゃんじゃんいけ。」

「はい、有難うございます。今日もトレーニングと稽古はしっかりしてきたんで…しっかりと腹ペコですわ。」「なぁ、夕子に任せるから、適当に出してくれるか?」

「まかしとき。とにかく、あんたも大好きな唐揚げは準備出来てるからな…これから食べといてくれたら、後はあんたの好きなもんを順序よく出したるわ。」

「うん。ほんで焼酎もちょびっと味見をしてみたいんやけど…ええかなぁ?」

「もちろんや。良かったら日本酒も試してみたらええんやで。うちには酒の味は分からんけど、食べるモンとは相性が在るみたいやから、その辺はお父ちゃんと相談したら…そうやお父ちゃんはビール以外はウィスキーやったなぁ……」

「おいおい、いきなりチャンポンは効き目が強過ぎるんとちゃうか?」「明日は休みらしいけど、ほどほどにしとけよ。」

「はい、飲む方は無理はしません。食べるんは任しといて下さい。」



 「なぁ、マサ………」「アカン、気を失うてるみたいやで……どうする?」

「これは俺でもきついけど、担いで行くしか無さそうやなぁ。まぁすぐそこやから、担ぐ時だけ手伝うてくれ。」「それにしても、食べるんは凄い量を食べよったけど、酒はほとんど飲んで無いやろ?」

「うん、そうやねん……最初のビールがコップで2杯やろ? ほんで焼酎がロックで1杯と2杯目が…それや。」

「…こいつ完全に下戸やな……」

「そうですなぁ…それもかなりなレベルですわ。」「はっきり言うて、酔うてる間が無かったですもん。物凄い食べっぷりで、ときたまコップに口を付ける程度で……箸が止まったら…体の機能も止まってましたわ。」

「うん…お母ちゃんの言う通りやと思う…その後、うちと一瞬目が合うたんやけど、体に続いて、頭も停止しよった。」

「まぁ、一息ついてからにしなはれ…担ぐんはお父さんでも、夕子も一緒に行って藤川さんに一言、状況を説明しとくんやで。」

「うん、分かった。」「せやけど、うちはどうなんやろ?マサよりは飲めんと女将は務まらんと思うんやけど?」

「あんたは血統から考えても、それこそ突然変異でも無い限り、絶対飲めるはずですわ。」

「そう云えば、マサの家でお酒の類を見た事が無いもんな。うちの家とは大違いや。」

「せやなぁ、藤川の兄ちゃん、元々大人しい人やけど、酒を飲んでるところを見た記憶が無いわ。」
 


「お父さん…そろそろ………」

「せやな、家まで送り届けたろか。」

「なぁ、これでも明日は、二日酔いになるんやろか?」

「この量で二日酔いになるくらいやったら、昌幸の天敵は夕子だけでは無くなるで。」


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非公開コメント

酒が原因で家庭が崩壊する恐れだけはなさそうですね。よかったよかった(笑)

ポール・ブリッツさん、本当にそうですね。

おっしゃる通り、マサに限っては酒でのいざこざは全く心配なさそうですね。

何をとっても女性の方が強いようで・・・これからの展開に御期待を。

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