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制服と割烹着(夕子と昌幸・青春篇)  第18話

 「おい夕子、年が明けて…俺も4月には二十歳や。」                                               「俺は気にして無かったんやけど、この正月に…親父とお母んが言うには…『お前も今や社会人や…4月には二十歳にもなる…夏のボーナスで、婚約指輪ぐらいは買うたらんと…夕子ちゃんが可哀そうや。』って、言いよるんやけど…お前の意見は…?」

  「マサ、あんた…アホやろ…?」

    「えっ…?……?…」

 「驚かんでもええ。 もう一つは…無駄な事をやらん間に言うてくれて…有難うや。」

  「え~~~っ?…?…?…」

 「その頭の中の…クエッションマークをまず白紙に戻すんや……… 戻ったか…?」

   「…?…?…?…」

 「ん~どうも… まだまだ数が多いようやなぁ………。」「マサ!思考停止や!」

  「…ハッ…!…も、戻った…と、思う……。」

 「ええか…?まず、婚約指輪を買う話を…渡す相手に相談してどないするねん…アホっ。」                         「この前の、車を買う時とは訳が違うやろ…?『指輪の駐車場所を契約に来ました。』とでも言うつもりやったんか…?」

  「そ、それ…ええやんか……使わして……。」

 「使わんでええ!アホっ!」「それに、プロポーズの時に…密かに渡すと云う設定が…うちの好みなんや。」

   「そ、それやったら………。」

 「アホっ、もう遅いわ……もはや…手遅れなんや……。」                                              「ええか、高校も卒業してへんうちに、ストレート勝負してきといてやで……すでに、順番もタイミングも…バラバラなんや。」

  「それを言われると…やなぁ………なんとも……。」

   「けど、全然…それで良かったんやで…。」

   「えっ…!なんで…? ほんまにか……?」

 「ほんまやで。」「好みやとは云うても、映画のような場面は…うちとマサには似合わんやないか…。」                     「それに…『もう一つは無駄な事をやらん間に……』って、言うたやろ…覚えて無いんか…?」

「頭の中で…『あんた、アホやろ…?』の一言が…繰り返し鳴り響いてる間に…かすかに聞こえたような気もするけど……。」

 「いつものマサに戻ったみたいやな… ほな、ズバリ言うけど…婚約指輪自体…まったくいらん… 全然欲し無い。」            「せやから…無駄な事をやらん間で良かったって…言うたんや…。」

  「夕子お前…矢印型の尻尾以外に…チンチンまで生えたんとちゃうやろなぁ…?」

  「いつ見たんや…?うちの秘密を?」

    「やっぱり……な……。」

  「こらっ!見たんかい…!?…。」

  「み、見てません…けど~~ 真実を明らかにする為にも…いっぺん………痛っ!痛い…って……。」

  「…せやろなぁ…うちの手も痛かったわ…。」

   「お前、加減の出来る女に………。」

 「アホっ!…『あんたへの手加減は含まれへん。』って言うたんまで…忘れたんか…?」

  「うっ…今……いま思い出した……。」

「それは、良かった…うちも安心したわ…なぁマサ、あんたが…なんかの間違いで、オリンピックに行けたとしたら……。」

 「間違わんでも…行くつもりなんやけど……ここは、お前にも覚えといて欲しい処やで……。」

「覚えてるよ…決まったその時、結婚指輪だけ…買うてくれたらそれでええ………」                              「うちが、身に付ける貴金属は…生涯、それ一つで十分や。」

  「これって、喜んでええんやろか…?俺…今、嬉しいもんなぁ…喜んでええはずや…そうやろ…?」

 「好きなように取ったらええけど、うちは…無理して言うてるんや無いで。」                                   「身に付けるモンなんか大嫌いなんや… 首に巻くのも、耳にぶら下げるのも…絶対にお断りや… ルビー…? ダイヤモンド…?」          「あんなもん、ただの石や無いか…アホらしい… こんなモンを、うちが喜ぶはずが無いやないか…。」

   「男前や~ まったくもって…お前らしい考え方やで。」                                            「まぁ俺も…石に高い金を払う奴の気が知れんとは思うけどな…そうなると、お前が欲しい物って…いったい何やねん…?」    「車は欲しがったけど…ただ、汚れてても…走ったらええって云うタイプやったしなぁ……。」

 「アホっ、それも当たり前やないか。」「ええか、車は便利やし…必要やろ…?」                                 「せやけど、人や物を積んで走る以外に、何を期待するねん…綺麗な必要が無いやんか。」

  「いや、ほんまにお前らしいけど……まぁ、そうは言うても…欲しい物は…なんにも無いんか…?」

  「ん~~ 強いて言えば…ジャージやな。」

 「ちょ、ちょっと待て…それは可笑しいやろ…⁉ いくらお前が…特殊やとしてもやなぁ……。」                          「19歳の女性が…婚約や結婚の記念みたいな話をしてる時に…【ジャージ】は無いやろ……?」                  「まぁ確かに…365日ジャージやもんなぁ…… 当たり前過ぎて気にして無かったけど…専門学校にもそれで行ってるんか…?」

  「アホな事言わんといて… たまには…ジーパンぐらいはくわ…。」

   「たまの…ジーパン以外は…?」

  「ジャージに決まってるやんか…… 他に持って無いしなぁ…せやから外出用に…新しいジャージが欲しいんや。」

 「外出用のジャージって…… お前、在る意味、小学校の時が一番女らしかったのかも知れんなぁ…。」               「やってる事は、悪魔や怪獣より凄かったけど…女の子の服も、わずかながら見覚えが在るわ。」

  「しょ~も無い事、思い出さんでもええ…… あんたかて、柔道着とジャージ以外のモン…あんまり見覚えが無いで。」

   「失礼な事言うたらアカンど……制服が在るやないか…制服が…。」

   「何が失礼や…。 制服は仕事用やんか…。」

「お前のジャージは、通学から仕事まで…オールマイティやないか…俺は少なくとも区別は出来てるんや…お前とは全く違う。」

  「……せやから~ 新しいジャージは…色合いの違う物を…買うたら…ええ…やんか…。」

   「お前の場合、根本的な部分に…問題が在ると思うで…俺は…。」
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コメント

マサも目標に向かって……って、モスクワオリンピックはボイコットでは。

これじゃ夕子に指輪一つ買えないぞ!

どうするんだマサ!

どきどき。

ポール・ブリッツさん・・・そ~なんですよ・・・

いつも有難うございます。
2人はモスクワオリンピックのボイコットなんてこの時点では知る由も無いわけで……知らぬがホトケ? … そんな訳には…いかない分けでして……今日のところはこの辺で。
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