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夕子、西成区花園町在住。 第4話          (居酒屋 「洋子」)

「ふう、夕子の聞いてた工事の関係もあってか、今日も忙しかったわぁ………そろそろ…サブちゃん入っておいでぇな。なに遠慮してんのや、あんたらし無いで。」

「……ん、…繁盛してるみたいやな。」

 「あんたも、一生懸命に仕事を頑張ってるって、…夕子がほめとったで。」

 「ほ、…ほんまか…?」

 「ホ…ン…マ…や。」  「とりあえず、ビール一本はあたしの奢りや。」

 「忙しいのはええけど、体、大事にせいよ。」 「疲れたら俺がいつでも指圧したるからな。」

   「どこの?…」

  「えっ…。」  「………………」

 「どこの……どんな指圧をしますねん。」

 「ど、どこっ…って……。」

「なぁ、サブちゃん。あんた夕子やお義母さんにまで気ぃ遣わせて、ええ加減にしいや!」

「なぁ、洋子、そんな包丁握りしめて言わんでも…」 「いつも言うてるように…ほんまに、ほんまに、あくまでも仕事なんや。」

「時々、訳の分らん言葉が聞こえてくるって夕子が言てたけど、どんどん成長する女の子にどう云うつもりや…ほんまに…」

「普通の指圧でもわめくような人もおるやないか……たまにやけど…中にはごっつう激しいのが居てるんや。」

   「やかましいわ!どあほ!」

 「うわっ!…ちがう…誤解や。洋子の考えてるような事は全く無いんや…そりゃ、これでも俺はもてるからなぁ、せがまれる事は在るけど、裸になるのは向こうだけで、俺はちゃんと服は着たままなんや。」

  「誰が信用するねん…そんな話。」 「どっちにしても、裸の女の人相手に……ああっ、ほんまに腹の立つ!」

 「いやいや、これはこれで、ほんまに大変ななんやで。気も遣うしな、かなりキツイ仕事なんや。」

「ほんなら、やめはったらどうですねん。」

「俺も、出来ることなら止めたいけど、今は2割近こうがこの客でなぁ…しかも、人助けも兼ねてると…俺は思ってるんや。」  

 「人助けの意味が判らんわ… 人でなしの間違いですやろ…。」

「おいっ、いくらなんでも人でなしは無いやろ…」 「ほとんど…いや、全員が飛田のお姉ちゃんでな…今、大阪で大きな工事現場が集中しとって、労働者のおっちゃんらが一般のサラリーマンや商売人より金を持ってる。」 「せやから飛田は大繁盛や。一日に何人も客を取らされてヘトヘトになるそうや。」 「けど…けどな、自分が感じることなんかあらへんし、出来へんやろ。休みの日や、昼間の空き時間に自分もほんまに感じてみたいんや。」 「それが、一人、二人と、あそこへ行ったら、それが味わえると口コミで広がってなぁ……こうなってしもたんや。」

 「なんや無理やりこじつけて…判ったような判らんような…とにかく自分の亭主がそんな事してて喜ぶ女が居てる訳ないやろ…そもそも……なんで、あんたや無いとあかんねん。」

「そりゃ、こう見えても、俺はけっこう二枚目で格好もええと評判みたいで…どうせやったらって、云う事やないかと……」

   「帰りっ!」

   「わっ…!」  「…は、はいっ!……。」

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